こんにちは。当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
管理人の白狐(しろぎつね)です。
私はIT企業に勤めていましたが、限界を感じてまったく異なる業種である病院のSEに転職しました。
今の仕事には満足しているので、IT業界をやめてよかったと思っています。
「IT業界をやめたい」
と思っている方のほとんどは、異業種への転職を考えているはず。会社を辞めたいのではなく、IT業界を辞めたいのですから。
異業種に転職する人でも、病院を選ぶ人はレアなケースだと思います。
そこでこの記事では、IT企業から病院に転職した私が、「IT業界をやめてよかった」と感じている理由と、「病院に転職して得たもの」を併せて、実体験を語ります。
目次
病院のSEがどんな仕事なのか手っ取り早く知りたい方は、下記のまとめページをご覧ください。年収、仕事内容、やりがい、求人の探し方などひと通りの情報をまとめてありますので、何か持ち帰れるものがあるはずです。
IT業界をやめてよかった理由
私は大学卒業後、新卒で都内のIT企業に就職しました。ところが、20代後半で仕事に限界を感じ、転職を決意。地元・北海道へ戻り、今は病院のSEとして10年以上働いています。
IT業界をやめてよかった、と思う理由は次の3つです。
- 定年まで働く姿をイメージできるようになった
- 地元で働くことができた
- 向いてないと思って辞めた、SEの経験が活きた
順に説明していきますね。
定年まで働く姿をイメージできるようになった
大きな理由は、「定年まで働く姿をイメージできるようになった」です。
IT企業にいた頃、若いうちは楽しかったのですが、30歳に近づくにつれて将来に不安を感じるようになりました。
システムエンジニアには「35歳定年説」がありますよね。
その名の通り定年は35歳であるという、SEが儚い仕事に聞こえてしまう悲しい説です。
「35歳定年説」が話題になったのは結構昔の話なので、働き方改革が進んだ今はだいぶ事情が違うかもしれません。
しかし、あながち嘘でもないと感じる人もいるはず。なぜなら年齢を重ねると、こんなふうに感じるからです。
「体力が衰えてきて、若い頃ほどバリバリ働けない」
「管理職に就けなかったら、定年までのキャリアが描けない」
少なくとも、当時の私はそう感じていました。
20代後半から30代にかけては、だれもが一度は定年退職までの道筋を見据えたキャリアを考える時期と言えます。
このまま今の会社に勤めていていいのか、それとも見切りをつけて転職すべきか・・・大きな選択を迫られ、分岐点に差し掛かっているでしょう。
私が学生の頃、大手PCメーカーとして名を馳せていた富士通は当時日本を代表する大手IT企業で、友人は「これで安泰だ!」と喜んで就職していきました。
ところがご存知の通り、数年の間に業界の勢力図はあっという間に塗り替わり、早期退職者を募るまでに追い込まれる事態となっています。
自分の将来を考える上で大切なことは、「定年まで働いている姿がイメージできるか」だと思います。
年金は先細りする一方で、退職金もいくら貰えるのか怪しい。老後資金の2000万円なんて到底無理・・・となれば、定年まで現役で働くのは避けられません。
20代のうちはひたすら目の前の仕事に集中するでしょうが、30代という年齢にあっては一度立ち止まり、定年まで働くことを想定した将来設計をすべきだと思います。
病院に転職した今は、将来に不安は感じませんし、定年まで働く姿をイメージできています。実際、定年に近い人が自分と同じ仕事をしているからです。
「将来はこの人のような立場になるんだな」とイメージできるわけですね。
病院が安定した職場で在り続けるのは、社会に必要とされる、なくてはならない存在だから。当たり前のことですが。
新型コロナウイルスの影響で患者数が激減し、経営が苦しくなった病院もありますが、だからといってすぐ破綻にはなりません。景気の波に左右されず、安定した収入が得られるのは病院ならではの魅力です。
安定した職業といえば公務員を思い浮かべると思いますが、中途採用にはたいてい年齢制限があり、30歳をすぎるとその敷居はグッと高くなります。狭き門であるうえ、難関の採用試験も突破しなくてはなりません。平易な道ではないと言えます。
地元で働くことができた
次に挙げるのは、「地元で働くことができた」こと。
私は北海道の田舎から大学卒業とともに上京して就職しました。
田舎にはない、エキサイティングな都会の生活はもちろん楽しかったのですが、それも最初のうちだけ。徐々に、家と会社を往復するだけの、魂の抜けた企業戦士と成り果てていました。
そんな中、どうしても地元に帰らなければならない事情ができたので戻ったのですが、地元にはIT企業など片手で数えるほどしかありません。
テレワークが進んだ昨今ですが、IT企業の求人は未だに都市部、それも東京に偏っていることが多いです。その仕事を続けたいと思っても、地元ではなかなか希望の職に就くのが難しい状況にあります。
ところが、「病院」なら田舎であろうと存在します。IT企業から別の業種に移ったことで、仕事の選択肢が広がったわけです。
病院で働くことは、そこに住む人々の健やかな生活を支え、地域の発展に貢献することにつながります。そして定年まで働くことを考えるならば、そこに根を張って生きていくことも考えなくてはなりません。
自分が生まれ育った地元には、馴染みの知り合いがいて、子どもの頃から慣れ親しんだ思い出の場所があるはず。そんな地元に根を張って生活しようと思ったら、病院は良き選択肢の一つとなり得ます。
向いてないと思って辞めた、SEの経験が活きた
最後に挙げるのは、「向いてないと思って辞めた、SEの経験が活きた」こと。
私はパソコンをいじるのが好きで、学生の頃から自作したり、自宅にサーバを立てたりして遊んでいました。ですので、自然と「SEになりたい」と思ってIT企業に就職しました。
しかし、実際にSEの仕事をやってみると、自分はSEに向いてないと思ったのです。
その仕事をしていても、やりがいや楽しさを感じられませんでした。加えて、自分の仕事には常に上司からの指摘と叱責が飛び、うまく対処もできず、周囲にも迷惑を掛け続ける始末。
単純に「パソコンをいじるのが好き」=「SEに向いている」と思い込んでいましたが、現実はそんな簡単な話ではなかったわけですね。
「好き」と「得意」は別物なんだ、と思い知りました。
仕事に就く前に、向き・不向きを判断するのはなかなか難しいよね。
そんな私ですが、今では病院のSEとして働いており、この仕事を気に入っています。
それは、この仕事がヒューマンスキル重視だからです。
もちろんSEのスキルは必要ですが、それ以上に医療従事者やベンダーと円滑・対等に話せるコミュニケーション力が重要になります。
仕様設計やコーディングよりも自分にはこちらのほうが向いているな、と実際に働いてみて痛感しています。
病院の仕事は、正直に言うとキツい面が多々あります。
医師や看護師からは、 「これシステムでなんとかしてよ!」などと無茶振りを受けることなど日常茶飯事。
キツいですが、要求をクリアし、現場で働くスタッフから感謝の言葉をもらったときにはやはり嬉しいものがあります。直接医療に携わる身ではないものの、医療を支えるいちスタッフであることにやりがいを感じられます。
無茶振りに対して、Visual BasicやPowerShellなどWindowsに標準搭載されている言語(病院のPCには自由にソフトを入れられないため)でやり遂げたときには、SEとして達成感が得られますね。
「こんなこと頼みたいんだけど無理かな・・・?」と言われたことに対して、自前のプログラムで実現して「できましたよ」と答えられたときは、冥利に尽きるというもの。
IT企業では、顧客の要求や仕様書に沿ってコードを書いていくわけですが、病院にはそうした流れはあまりなく、素人の職員から「こんなことがしたい」とざっくり言われるだけ。
自分が一番詳しい立場ですから、どんなやり方で進めて、どう仕上げるのかはすべて自分で決められます。院内で定められた稟議のプロセスさえきっちり踏めば、「じゃあそれで進めておいて」でおしまい。細かいことは言われません。というより、ツッコめるほどの知識ある人がいません(笑)。
裁量を求める人にとっては、実に面白い仕事です。
以上が、私がIT業界をやめて、病院に転職してよかったと思う理由です。
IT業界から異業種へ転職したい人は山ほどいると思いますが、病院を検討している人はレアだと思います。なぜなら、そんな選択肢が思い浮かばないから。
病院のSEはヒューマンスキルが重んじられる仕事ですが、SEのスキルが欠かせないのも事実。IT業界を辞めたい人にとっては、「これまでの経験を活かすことができて、異業種に行ける」滅多にない職種だと思います。
興味を持った方は、ぜひ病院のSEを候補に考えてみてくださいね!
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最後に
当ブログでは、病院に勤務するシステムエンジニアの私が、関係法令の改正やパソコンのトラブルシューティングなどをSE目線から紹介しています。
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