病院の情シスで働く医療情報技師の奮闘記

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30代でもIT業界から病院へ異業種転職できる!裏ワザを紹介

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こんにちは。当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

管理人の白狐(しろぎつね)です。

 

30代のSEだけど、IT業界を辞めて異業種に就きたい。

できるなら、未経験でも出来る仕事がしたい。

 

本記事は、そんな悩みの答えとして「病院のSE」を提案します。

 

病院のSEは、SEとは言っても事務のような立ち位置でSEらしい仕事をすることが少なく、「SEを辞めたい人にこそ」おすすめできるからです。

 

病院の仕事といえば医師や看護師を真っ先に思い浮かべると思いますが、実は情報システム部門も存在しており、そこで働くシステムエンジニアがいます。
通称、院内SEと呼ばれます。
 
初めて聞く方もいることでしょう。
それもそのはず。なかなか求人に出てこない、レアな仕事だからです。
 
SEを辞めてからの転職ノウハウを紹介するサイトは星の数ほどありますが、院内SEを勧めるのは当ブログくらいではないでしょうか。
それくらい、認知度の低いマイナーな職種です。
 
院内SEは技術力よりも人間力のほうが求められるため、転職さえ出来てしまえば30代でも十分通用します。
 
しかし、30代で異業種へ転向し、しかも未経験の仕事に転職するには、どんな分野であれ簡単ではないですよね。普通の仕事の探し方では、通用しない可能性があります。
 
そこで本記事では、院内SEの仕事を30代から未経験で始めるための「裏ワザ」を3つ紹介します。
 
 

 

目次
 
お前誰よ?

と思った方へ。
私は、IT企業から病院のSEへ転職してこの道10年以上の、現役院内SEです。同業のSEにすらあまり知られていないこの仕事の認知度を広めるべく、情報発信を目的としてこのブログを運営しています。

院内SEについて手っ取り早く知りたい、という方はぜひ下記のまとめページをご覧ください。年収、仕事内容、メリット・デメリットなどを現役目線からリアルに書いた記事ですので、転職を考えている方には持ち帰れるものがあるはずです。

 院内SEに俺はなる!

 
  
 

病院のSEがおすすめできる理由

 
冒頭で「院内SEの仕事はSEらしくない」と書きました。
それは、SEの代表的な仕事である要件定義や仕様設計、コーディング、デバッグなどをやらないからです。
 
何をするかと言うと、病院で稼働するシステムを安定稼働させること。
 

トラブルが起きたら、迅速に原因を突き止めて復旧させます。
そのためには、システムエンジニアとしてのスキルが必要です。つまり、それまで培ってきた知識や経験が活きるのです。
 
「SEを辞めたい人にこそ」院内SEを勧められる一番の理由は、これまでのスキルが活かせるから
 
転職を考える上で、大切な要素です。
つまり、院内SEは未経験であっても、SEをやったことがある人なら十分転職できるのです。
 
もっと言うと、SEすら未経験であっても、院内SEになる道があります
 

いやいや、さすがに経験なかったら無理でしょ?

 

もちろん、「普通は」無理です。なので、病院に詳しい現役の私が、未経験から始められる「裏ワザ」を紹介します。

 

裏ワザ!? 一応聞いておくか・・・。

 
 
   
 

実は院内SEは狭き門

裏ワザを紹介する前に、大事なことなので知ってほしいことが1つあります。
 
それは、SE経験者にとっても院内SEは狭き門だということです。
 
それは難易度が高いから、ではありません。
 
求人が圧倒的に少ないためです。
 
 
大手転職サイトで探しても、あまりヒットしない場合がほとんど。
その理由を、私はこう考えています。
 
  1. 病院に必要なSEは数人で十分だから
  2. 半分はSE、半分は事務の仕事だから
  3. 医療分野に特化したスキルが求められるから
 

病院に必要なSEは数人で十分だから

院内SEといっても、必要なのはせいぜい2~3名。大病院であればそれ以上もいますが、ほとんどはこれくらい。1名だけというのもザラで、それもパソコンに詳しい事務が兼務する場合もあります。

 

つまり、求人を出すほど、人を探す必要がないのです。

欠員が出たら、ハローワークやホームページで募集をかければ十分なのです。

 

そんなんで人が来るの?

 

それが来るんですよ。それが狭き門である所以です。

 
 
 
 

半分はSE、半分は事務の仕事だから

次に挙げるのは、半分はSE、半分は事務の仕事であり、転職サイトの求人としてはそぐわないから。
冒頭で触れたように、院内SEはコーディングなどをやらないため、純粋なSEの仕事とは毛色が違います。
 
院内SEに求められるスキルは、ITの知識だけではありません。
医療事務という、病院経営の基礎的な知識が求められるのです。
 
これは、転職する段階ではどんなSEも持っていないであろうスキル。転職サイトで募集しても、見合った人材はなかなか集まりにくいと想像されます。
 
さらに言うと、院内SEに重視される能力は、ゴリゴリのSEというよりも医療従事者と円滑に対話できるコミュニケーション力。ヒューマンスキルの方が、比重が大きい傾向にあります。
 
そのため、求人の内容がSE向けの転職サイトにそぐわないことも多く、なかなか募集が出てこないというわけです。
 
 
 
 

医療分野に特化したスキルが求められるから

最後に挙げるのは、医療分野に特化したスキルが求められるから。
 
具体的に言うと、病院ではSEは「医療情報技師」と呼ばれます。
 

なにそれ? 初めて聞いたけど。

 

医療とITの両方の知識を問う資格試験のことで、合格した者にその称号が与えられます。このブログのタイトルにも付けています。

 
実は院内SEの求人では、医療情報技師を持っていることを条件にしているケースが多くあります。
つまり、専門知識を持っていることが前提なのです。
 
転職を考えているシステムエンジニアが、医療情報技師の資格を持っていることはまずないでしょう。SEが取るべき資格として思い浮かべるのは、基本情報技術者、CCNA、LPICなどですよね。
病院の業界研究をしている人でなければ、この資格の存在すら知らない人が大多数
 

だからこそ、大手転職サイトで募集を出しても該当者がいないわけなんです。

 

なるほど・・・。で、どうしたら未経験の30代からなれるの?

 

裏ワザ① 医療事務から始める

最初から院内SEへの転職を目指すのではなく、まずは医療事務として病院に採用されてから、院内SEへのステップアップを目指す方法です。
 
医療事務ならば常にいろんな病院で募集がかかっていますので、病院への入り口として最適と言えるからです。
 
▼医療事務とはなんぞや?という方は、こちらの記事をご覧ください。
 
医療事務の仕事は、経験があった方が望ましいのは確かですが、未経験でも通じるところは通じます。この業界は常に人手不足だからです。
 
30代は年齢的に不利だと思うでしょうが、SEのスキルが買われるチャンスがあります。
なぜなら、このあと述べますが病院の事務でパソコンに詳しい人は重宝されるからです。
 
また、医療事務の能力を測る資格があるのですが、難易度は低め。IT系に例えればITパスポート並みのレベルですので、基本情報技術者レベルの試験に合格できる能力があれば、働きながらでも十分取れます
 

実際に私も、仕事をしながら医療事務の資格を取りました。

 
 
医療事務の資格を取るには、大きく2パターンがあります。

①資格の学校に通う
②オンラインの通信講座を使う

私がおすすめするのはオンラインの通信講座
受講料が30,000円台~と低コストで、かつ最短で1ヶ月で取れるからです。

通学形式は学習環境が充実している反面、忙しい社会人には時間を取るのが大変。講師を雇っているので費用もかさみがちです。

オンラインの通信講座を探すなら、資格スクールの比較サイト「シカトル」がおすすめ。
さまざまなスクールを比較し一括で資料請求できるので、自分に合ったスクールを効率よく探すことができます。ぜひ参考にしてくださいね。
 
大きな病院では、システム管理を専門で行う情報システム部門(通称、情シス)が設けられていますが、中小ではコンピュータに詳しい事務員がPCのメンテナンスや設定等を担当するところが多いです。
 
医療事務はどの医療機関にも必ず必要なので、システムに強いと重宝されます
つまり、採用時にSEスキルが有利に働くというわけです。
 
医療事務の求人なら、転職サイトに限らずハローワークで探すのが手っ取り早いです。地方であれば、大手就活サイトを利用している医療機関は少数派ですから。
 
病院への転職を考えるなら、ぜひ医療事務の仕事も検討してみてください。
 
 
 
 
▼医療事務の資格の取り方については、こちらの記事も併せて参考にしてください。
 

裏ワザ② 職務経歴書で強引にIT資格をアピールする

もしSEの経験がなければ、資格で勝負する手があります。

しかも、やや強引な方法で。

 

実際に私が行った方法を紹介します。

 

私は今勤めている病院の求人に応募した際、求められてはいませんでしたが「職務経歴書」を作り、履歴書と一緒に提出しました。

 

もともと医療事務の求人だったのですが、将来情シスとしてステップアップすることを前提に考えていたので、転職前の会社で得たスキル(扱えるプログラミング言語やWeb制作の経験など)や保有資格をまんべんなく盛り込み、ITスキルがあることをアピールしたのです。

 

職務経歴書ってなに?という方は、下記の本を参考にしてください。

熱烈に何枚も書く必要はありません。「今までどんな仕事をして、どんなスキルを身に着けてきたのか」を、1枚に完結にまとめるのがよいでしょう。(IT用語を並べ立てても理解してもらえませんので・・・)

 

 

採用担当者であれば、幾多の履歴書を見てきているので基本情報技術者や応用情報技術者くらいは知っているはず。「誇張ではなく確かな知識があるな」という認識はしてもらえます。

 

実際、面接官からは「PCのこういうトラブルが起きたとき、あなたならどう対処しますか?」という質問も受けました。

 

求められてない書類を送っても失礼じゃない?

 

そんなことはないですよ。送ってみたら「お、ちょうどこんな人が欲しかった」と思ってもらえることだってあるんです。

 

採用後は医療事務として数年間働きましたが、「PCに詳しいんだよね、この仕事やってくれない?」と声がかかるようになり、徐々に「PCに長けた人物」というイメージが定着していきました

 

採用する側は、欲しい人材を指定して求人を出すわけですが、必ずしも「欲しい人材だけを採る」わけではありません。たまたま目に止まった応募書類を見て、「うちにこんな人がいたらいいよね」と気付く場合もあるのです。

 

私はこのパターンで採用されました。

 

やや強引にアピールすることで、採用側の目に止めてもらう作戦です。

 

資格を持っているなら、ぜひ前面に出してアピールしましょう

 

IT系の国家資格と言えば基本情報技術者や応用情報技術者が人気ですよね。IT業界で知らない人はいない資格ですし、まずはこれらの資格を取るよう会社から言われるところもあると思います。


しかし悲しいことに、病院という国家資格保有者集団の中では色あせてしまうのが現実。
情報処理の国家資格と言っても「何をする人か」が分かりづらいので、資格の存在すら知らない人がほとんどです。
数ある資格の中でも権威ある国家資格のはずなのに、ちょっと悲しいですね・・・。


医療業界では資格が免許なようなもので、「資格を持っていないとその仕事に就けない」世界です。
医師も看護師も、資格がなければその名称を名乗って仕事することができません。
持っていなくても仕事に就けるとなると、彼らからすれば「何のための資格?」となってしまうわけです。

しかし、それでもIT資格は採用時に武器となるもの。全面に押し出してアピールしましょう。

 

併せて読みたい  院内SEの志望動機を書くならこんなふうに!例文を紹介

 【志望動機】病院で働くシステムエンジニアのやりがいは?

 大変な医療事務から院内SEになったら、楽になった話

 

 

 

裏ワザ③ 情報システム部門がある病院を探す

上で少し触れたように、情報システム部門はどの病院にも必ず存在するわけではありません。情シスがない病院では、医療事務と院内SEを兼務するパターンもありえます。

 

それでは不本意ですよね。なるべくなら、専業の院内SEを目指すべきです

 

そこで、狙っている病院の情報システム部門を事前に探す手があります。

 

▼病院に情報システム部門があるかどうかを知る方法は、こちらの記事をご覧くださいね。 

 

whitefox21.hatenablog.com

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

以上が、30代のSEが未経験から院内SEになる裏ワザです。

 

まとめると次のようになります。

 

裏ワザのまとめ1.医療事務とIT(なるべく国家資格系)の資格を取る

2.就職したい病院に情シスがあるかどうかを調べる

3.ITの資格を全面に押し出して、医療事務の求人に応募する

 

しがないシステムエンジニアだった私は、存在すら知らなかった院内SEの仕事に魅力を感じ、医療事務の業務を経て、院内SEに至りました

当時はネットの情報も無いに等しく、手探りで転職活動をしたものです。

 

このブログでは、その経験から転職に必要なエッセンスだけを抽出して、私と同じように転職したい方向けに情報発信しています。

皆さんの仕事選びの一助となれば、これ以上嬉しいことはありません。 

 

 院内SEのまとめページを見る

 

 

 最後に

当ブログでは、病院に勤務するシステムエンジニアの私が、関係法令の改正やパソコンのトラブルシューティングなどをSE目線から紹介しています。

 

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