病院の情シスで働く医療情報技師の奮闘記

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院内SEにおすすめしたい、コミュニケーション力を上げる本

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こんにちは。当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

管理人の白狐(しろぎつね)です。

 

当ブログで何度か取り上げていますように、院内SEには技術力以上にコミュニケーション力が求められます。なぜなら、院内のシステムを円滑に運用するためには、システムでは実現できない部分に職員と折り合いをつけなければならないからです。

 

院内SEにはさまざまな要望や苦情が寄せられます。時として、到底実現できそうもない無理難題を突き付けられることもあります。

 

私に言われても困ります!
出来ないものは出来ないんです!

 

※管理人注: ↑のキャラは私です。(当ブログ初登場)

 

と無慈悲に突き返してやりたいところですが、そう言ってしまうと「システムの人間は使えないやつだ」と烙印を押されてしまい、窓際に追いやられる可能性も・・・。

 

どうしても出来ない場合は、理解してもらえるようにうまく説明したり、別の方法を提案して矛を収めてもらったりするしかありません。

 

SEは技術屋ですので、こうした対人間のスキルが苦手、という方もいると思います。

そこで今回は現役院内SEである私が、実際に読んでみて為になった、コミュニケーション力を上げるためのおすすめの本3つ紹介します。

 

 

目次

 

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「人を動かす」

 

 

自己啓発本の元祖とも言われる、知る人ぞ知る有名な本です。初版が発行されたのが1936年と、古典とすら呼べるほど長く愛読されています。

 

本の中身は読んで字の如くで、人を動かすための心構えと具体的な行動指針が示されています。

 

「人を動かす」と聞くと、「他人を自分の思うままに誘導する」というような心理学だと感じる方もいるでしょうが、本書はそうした意図ではありません。

タイトルに補足するならば、人の「心を」動かす、といったところでしょうか。人を操るためのテクニック本ではなく、人の心を動かすために自分がどう変わるべきか、を説いた本です。

 

よく「悪用厳禁!」などという見出しの付いた心理学の本がありますが、人の心理を巧みに操る、というのは一時的にはうまくいっても、長続きするものではありません。いわれのないクレームを処理するシーンなんかでは使えるかもしれませんが、職場で長く働いていれば、その場しのぎばかりしているといずれ本性がバレて、信用されなくなる可能性があります。

 

あの人は口ばっかり・・・なんて言われている人はどこにもいますね。

 

本書では、「人は感情で動く生き物である」ということを繰り返し突き付けられます。人は理屈を説明すれば納得してもらえると思いがちですし、実際多くの社会人がロジカルシンキング(論理立てて考えること)の大切さを教えられるはずです。自分の意見を通すには確かに必要ですし、そうすることで多くの人の理解も得られやすくなります。

 

ところがこれは、あくまで意見を通すことに限った話。強引に押し通せば、建前では理解してもらえても腹の中では「あいつは気に食わない」「今回は仕方ないが次からは協力しない」などと思われてしまうことがあります。

何か頼みたいことがあっても、こうした感情があるために、うまく理由をつけて断られたりします

 

「彼はよく現場のことを考えてくれるね」「今度何か頼まれたら協力してあげよう」と思ってもらえるかどうかは、その人の感情次第というわけなんです。

 

言われてみれば物凄く当たり前のことなのですが、実践できているかと言えば難しいところ。人と対立したときには、つい「相手の間違いを正してやろう」「正論を突き付けて相手を論破してやろう」と戦闘モードに入ってしまうもの。頭ごなしに言えば言うほど、相手は態度を硬化させます。

 

そうなるとヒートアップするいっぽうで、場合によっては修復不能な亀裂を生むことになります。そうなれば、職員の理解を得なければならない院内SEの仕事は、円滑に進まなくなります。

 

本書を読めば、戦うことがいかに無益であり、相手に寄り添うことこそが有益だということを思い知らされるはずです。

 

どうすればあの人とうまくやれるんだろう?

 

※管理人注: ↑は私以外の第三者。こちらも初登場。

 

と悩んでいる方に、特にオススメできる本です。

この本で学んだことを実践すれば、面白いほど周囲の反応が変わると思いますので、ぜひ一読してみてください。

 

「人生は勉強より『世渡り力』だ!」

 

「技術屋だからといって、技術だけじゃダメなんだ!」ということを、日本屈指の金型技術を持つ著者が力説した本です。

 

著者は、当時どの大手企業でも実現不可能と言われた極細の「痛くない注射針」を開発した、町工場の社長。名だたる実績があるだけに、十分すぎる説得力があります。

 

本書の中身を一部抜粋します。

 

 蚊と同じ太さの針をつくったなんていうと、「一に技術、二に技術、三、四がなくて五に技術」なんて言いそうなオヤジって感じがするだろ? たしかに技術、腕は大事だし、そのための勉強はしとかなきゃ、話にならねえよ。

 

 でも、それと同じくらい大事だと自信を持って言えるのが「世渡り力」なんだ。どんなにいい腕を持ってても、それだけじゃダメ。

 「世渡り力」がなきゃ、仕事も人生もゼッタイうまくいかないよ。

 

江戸っ子である著者の語気に気圧されますね。自らの技術だけを売りに、体を張った商売をしてきた社長だからこそ言える金言が収録されています。同じく技術屋であるSEにも、学ぶべきものが多くあります。

 

例えば、「自分の仕事を安売りしない」こと。そのためには、誰にでも出来る仕事は相手の言い値でやるしかなくなるから、「他の人がやらない、できない仕事」をやるべきだと言っています。

 

他人には真似できない技術を持つからこそ、言えるんでしょ・・・

 

と思うかもしれませんが、著者は痛くない注射針の仕事を受けたときには「出来ると初めから分かっていたわけではない」と言います。7割がた「これはできそうだな」と踏んだから、この仕事を受けたそうです。

 

人は、自分の飛べそうなハードルを選り好んで飛びたがるもの。そうしていつしか安全パイの道を選ぶようになり、「ハードルが高そうだな」と思う仕事を避けがち。しかしその道はみなが行く道だから、安い値段で受けるしかなくなる、というのです。

 

これは院内SEの仕事にも応用できる考え方です。

 

院内SEは、技術屋と言えど事務方寄りで、院内での立場は弱いほう。医師や看護師からは下に見られ、便利屋として都合のいいように仕事が回されることもあります。指示されたことを仕方なくやっているだけでは、下請けの扱いに甘んじてしまうこともあるでしょう。

  

それが仕事だから仕方ないよな・・・

 

なんて割り切っていると、言葉は悪いですがナメられ、いつまでも改善しません。そんな状況を打開するには、仕事を安売りせずに院内SEの能力を認めさせなければなりません

 

院内SEには、ときに「ハードルが高そうな仕事」が舞い込むことがあります。たいてい、周りは「これは無理なんじゃないか・・・?」と思っています。そんなときに技術屋の腕前を発揮してクリアしてやれば、SEとしての評価がワンランク上がることになります。

うまい理由をつけて、断ることは可能です。しかしその仕事を受けるか受けないかで、その後の明暗が分かれるわけですね。

 

著者のような、他人が真似出来ない偉大な仕事ではないにしても、日々のちょっとした「ハードルの高い」仕事をきっちりやり切ることで、次第に職員からの期待値が上がっていきます。

そうしているうちに、自分を「下請け」の立場から「お願いされる」立場へと引き上げることが可能になるわけです。

 

この仕事はあいつにやらせておけばいいさ

 

という雑な扱いから、

 

こんな仕事をやってほしいんだけど・・・彼なら出来るんじゃないか?

 

 と思わせることができれば、しめたもの。

 

「お願いされる」立場になれば、納期や品質、かけるコストなどの裁量をこちら側で握れることになり、仕事を自分のペースに持ち込むことができます。

 

わかりました、1ヶ月もらえれば出来ます

 

○○のソフトがあれば出来ますので、買ってもらえますか?

 

などと、こちらが条件をつける側に回れることになります。

相手は当然やってほしいわけですから、

 

わかった。ではそれで構わないから進めてくれ

 

となるでしょう。相手が決定権を持つ立場であればあるほど、決裁することもなくあっさりこちらの要求が通ったりします。

 

相手の言い値でやることなく、仕事を安売りせずに済むのです。

 

ほかにも「仕事の急所は、他人を儲けさせること」「口の軽いヤツを使って株を上げる」「義理を欠いたツケは必ず戻ってくる」などなど紹介したい金言がたくさんあるのですが、紙幅の都合もありますので、詳細はぜひ手にとって読んで頂ければと思います。

 

読者の尻を叩くような著者の言葉を借りて、本書の紹介を締めくくります。

 

「自分をアピールするなんて......」

「わざわざ"世渡り"に力を注ぎたくないかな」

 

なんてヌルイこと言ってると、おいしいところをゴッソリ他人に持っていかれちゃうぞ。俺みたいに子どもの頃からでなくたって、知っているだけでずいぶん見方、考え方が変わるもんだ。

 

ぜひ「世渡り力」を武器に、じゃんじゃんおいしい思いをしてほしい。

 

 

「『30代で年収3000万』の人は、いつも何を話しているのか?」

上の2冊に書かれていることは、仕事をする上での姿勢や考え方についてです。

 

考え方は分かったけど、じゃあ今日からどうやって行動を変えればいいんだ?

 

という方にオススメしたいのが本書です。

 

本書は、「私たち自身は簡単に変えられないが、言葉は簡単に変えられる」をモットーに、うだつの上がらない人を「300万プレーヤー」、勝ち上がっていく人を「3000万プレーヤー」と表現し、それぞれの考え方を対比させながら仕事で成果を上げるための「言葉」を紹介しています。

 

一つ、言葉を取り上げます。

 

「申し訳ありません。こちらの手違いかもしれません」

 

こちらに落ち度がなくても、自分のミスだと言って謝ろう、というのです。

そんな理不尽なことをなぜ受け入れるのでしょうか。

 

そんなバカな話があるか!

 

まぁまぁ、まずは話を聞いてみましょう。

 

例えばこんなシチュエーション

高級レストランで客がビーフシチューを注文した。

ところが、実は間違えてクリームシチューを頼んでいた。

テーブルにクリームシチューが運ばれてくると、客はビーフシチューを頼んだと思っているから「注文と違う」と苦情を言った。

 

すると、成果を上げるスタッフは「申し訳ありません。こちらの手違いかもしれません」と言って、客が求めるビーフシチューを持ってきた。

 

このときにスタッフが考えていることは、「いかに客の顔を潰さず、また来てもらうか」ということ。

 

「客の間違いを指摘して恥をかかせ、二度と来てもらえなくなるよりも、客を立てて良い気分で帰ってもらおうと考えている」

自分が正しいか、客が正しいか、はどちらでもよい。どうすればまたレストランに来てもらえるか、にフォーカスしている」

 

と著者は解説します。

 

リッチな客を相手にする高級レストランだからこそ出来る芸当とも言えますが、これも院内SEの仕事に応用が利きます。

 

院内SEは仕事柄、医師や事務長などの幹部クラスと接する機会が多くあります。そうした人たちと仕事するうえでは、「真っ向から相手の間違いを指摘する」のは当然ながら御法度。

自分は間違っていないと思っていても、多くの人は面倒事を避けるために「まぁ上の人の言うことだから仕方ないよな」という思いで、いやいや引き下がりますよね。

 

自分のせいじゃないのに・・・

 

と思うところですが、こうした態度はつい言葉や表情に出てしまうもの。そこを読み取られてしまうと、さらに相手からの心象を悪くすることになります。

 

こうしたときに、「私の手違いでした、申し訳ありません」と潔く引き下がれば、「次から気をつけるように」とだけ言われてその場を終えられます。

 

実は大事なのはこのあと。後になって、相手が「あれは自分のミスだった」と気付いたときなんです。

 

「自分のミスではないのを分かっていながら、彼はミスを被った」ということに気付いたとき、「人の顔を潰さない、立ち回り方が分かっている人」と認識を改めてくれるでしょう。

むしろ、相手も人間ですので「彼には悪いことをしたな。今度一杯奢ってやろう」と思ってくれるかもしれません。ミスで評価が下がるどころか、ミスをうまく利用することで、良好な関係作りすら出来るかもしれないのです。

 

いやいやいや、下手にへりくだったところで何の解決もしない。
都合のいいように押し付けられるだけだ。

 

と思うかもしれません。確かに、諸刃の剣ではあります。

そう感じる方は、もしかしたらその感情が表情や態度に出ているのかも。(上から目線でスミマセン!)

 

誰しも、文句や不平不満を言ってばかりの人に対して、良心的な気持ちにはなれないですよね。

反対に、文句も言わずひたむきに頑張る姿を見れば、応援したくなるのが人の心というもの。

 

上で紹介した「人を動かす」にも書かれていたように、人は感情で動く生き物。仕事をする上では見かけ上「論理的に」動きますが、内心は「感情的に」判断していますので、「文句ばかり言って、こいつは気に食わないな」と思われたら、いかに論理的な話し合いに持ち込もうと思っても難しいわけです。

 

本書の一部を抜粋します。

 

(前略)

 

このように、上司と「言った、言わない」の口論をした経験を持つ人は、少なくないだろう。

 

こういうとき、上司に見放されるのは、右のように「自分の正しさ」を証明しようとする人だ。

 

それはただ、上司を不愉快にするだけ。たとえ上司が間違えていたとしても、ミスを指摘されて「いやあ、すまなかった」と言える度量がある上司は多くない。

 

言われてみれば、一理あるよね・・・

 

相手を論破したり悪を正したりするよりも、「いかにうまく人間関係を作るか」に注力したほうが物事がスムーズに行くのでは、と私は思っています。 

特に裁量と決定権を持つ幹部クラスと良好な関係が構築できれば、院内SEの仕事は飛躍的に捗ります

 

私はこの方法を今も実践していますが、人事評価を下げられたり、給料が落ちたりしたことはないですね。

 

ぜひとも、習得したいスキルと言えます。

 

実践して初めて意味がある。早速今日からやってみよう

 

 

長くなりましたが、以上が院内SEにオススメしたい、コミュニケーション力を磨くための本です。

 

利益追求を是とする企業とは違い、病院では「気持ちを寄せる」とか「理解を示す」というような「心づかい」が重んじられる傾向が強くあります。たとえ、それが病院の利益には繋がらなくても、です。

心づかいができるSEは、自然と周囲からも気遣われる存在になることができるはず。

 

もちろん、本を読んだだけではコミュニケーション力は身に着きません。

 

行動に移し、言葉を変え、周囲の変化を肌で感じることによって、初めて本を読んだ意味があります。

仕事を円滑に進めるためにも、早速今日から実践し、コミュニケーション力を上げていきましょう。

 

 

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