病院の情シスで働く医療情報技師の奮闘記

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【読者からの質問】どの程度の知識があれば医療情報技師になれる?

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病院のSEとして10年以上働いている白狐(しろぎつね)です。

 

読者の方から、お問い合わせフォームにご質問をいただきました。このブログの読者にも大変関心のある内容だと思いますので、現場で働く立場のいち意見として僭越ながら回答させていただきます。同じ悩みを持つ方は、ぜひ参考にしてくださいね!

 

目次

 

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質問

個人的質問で恐縮ですがもしよければ回答お願い致します。

 

質問:

医療情報技師検定合格(=合格程度の知識)があれば院内SEとして最低限の業務は可能でしょうか?

 

備考:

私は200床規模の病院で17年 医事課勤務をしています。

紙カルテの病院ですが約2年後の新築移転時に電子カルテ導入予定です。

 

電カル導入に伴い院内SEの採用を病院が検討していますが、私がこれに志願したいと考えております。

 

私のPC能力はExcelとワードをぼちぼち使う程度である為、知識獲得のために先日ITパスポート試験を受けておそらく合格しています。

 

ITパスだけではまだまだ不足と考え次段階の勉強を始めるつもりです。

どの勉強をするか下調べした所、「基本情報技術者試験」は今の私にはかなりハードルが高いと感じており『医療情報技師検定」を目指すつもりですが、果たしてそれで事足りるのか不安に思っております。

 

院内SEになれば

 

・電カルの導入/保守

・イントラネット構築(今は全く導入していません)

・ホームページ管理

・各部署のネット不調や周辺機器故障の対応

 

などをすることになると予想しますが

「医療情報技師検討合格程度の知識」があれば

これらに最低限の対応ができるものでしょうか?

 

それとも「基本情報技術者試験合格程度の知識が無いと厳しい」でしょうか?

 

現役で勤務されている方のご意見を聞かせてもらえると大変助かります。

お手数をお掛け致しますが何卒宜しくお願い致します。

 

白狐からの回答

ご質問ありがとうございます! このブログに関心を持っていただけて嬉しいです。

 

院内SEの担当業務は病院によって三者三様であり、一律に語ることはできないという前置きをさせていただきますが、ひとまず「医療情報技師」の資格があれば、業務をこなすスタートラインに立てると思います。

 

加えて、「基本情報技術者」の資格は今急いで取る必要はない、というのが私の意見です。もちろんあれば望ましいですが、それよりも先に医療情報技師の資格を優先すべきです。なぜなら、基本情報技術者を取ったからといって、院内SEの仕事が務まるとは限らないからです。

このブログでは、院内SEを目指す方におすすめする資格として「基本情報技術者」を挙げていますが、これは採用時に面接官へのアピール材料として使う場合です。質問者様はすでに病院で勤務しておられるので、スキルを問われる採用試験があるのなら別として、無理に取る必要はないかなと思います。

 

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それよりもおすすめしたいのは、電子カルテ導入までの2年の間に、パソコン全般の知識を強化することです。

この仕事で重要なスキルは、実践に使える技術力。院内SEの具体的な仕事内容は、質問者様の見当で概ね合っているでしょう。

 

・電カルの導入/保守

・イントラネット構築(今は全く導入していません)

・ホームページ管理

・各部署のネット不調や周辺機器故障の対応

 

イントラネットの構築やホームページ管理、機器故障の対応は、資格の勉強ではなかなか身に付きません。質問者様が院内SEになったなら、察するに自分以上にパソコンに詳しい人はいないはず。となれば、パソコン周りのトラブルはすべて自分が請け負う形になりますので、「問題を自力で解決していく方法」を確立させていかなくてはなりません。

 

とはいっても別に難しいものではなく、トラブルが起きたらググって試すのみです。しかしネットの情報は大量にあるうえ玉石混交ですから、どの解決策がふさわしいのかを見極めるには慣れが必要です。このため、パソコンを自分の手足のように使う感覚を養い、いろんなことを試行錯誤して、とっさに解決策を見いだせるようにしておくことが大切になってきます。

 

例えば私が質問者様の立場なら、こんなことをするでしょうか。

 

  • HTMLとCSSを使って1からホームページを作ってみる
  • 動作が遅いパソコンを早くするためのTipsを調べ、自宅のパソコンに適用してみる
  • 自作パソコンを組み立ててみる

 

もちろん、これらのことをカンペキに出来る必要はなく、砂場でのお遊びレベルで構いません。抽象的な言い方になりますが、触れてこなかった分野に触れるといいますか、レベル0だったものを1や2にする、という感覚で十分です。

 

例えば委託業者にホームページ制作や修正を依頼するとき、HTMLの構成や書き方が分からないと、作業の指示や契約内容の理解、価格交渉が難しくなります。「よくわからないから丸投げで任せよう」というような、雑な管理になってしまいます。

 

また、正常に動作していないパソコンを治すのも経験が必要になります。異常をきたす原因はさまざまですから、どうすればパソコンがキビキビ動作になるのか、HDDからSSDに変えたらどれだけ早くなるのか、といったことを自分でやっておくと、いざトラブルが起きたときにとっさに対応できます。

 

パソコンを自作すると、ハードウェアの勉強になりますので特におすすめ。どのパーツがどんな役割を果たしているのか。パソコンを早くする要因となるのはどのパーツなのか。それが分かると、ハードウェアの故障時にも自ら対応することができます。具体的には、ハードディスクを交換したり、メモリを交換したり、といった作業ができれば、パソコンをまるごと買い替えるのに比べ低コストで済みます。万一、失敗して壊しても自分持ちですから安心です(笑)。

 

これらの知識は院内SEの業務をこなすうちに次第に身に付いてきますが、仕事を始める前に予備知識を入れておくと武器になるのではないかと思います。

 

問題解決の引き出しの多さが、院内SEの腕の見せどころとなります。引き出しを増やすには、とにかくさまざまなトラブルや相談事を解決し、場数を踏むこと。こればっかりは、座学で身に付けることができません。

職員や知り合いなどからいろんなパソコン関係の相談を引き受け、言い方は悪いですが練習台にするつもりで、数をこなしていくことも効果があると思います。

 

こうしたスキルは先輩や上司から丁寧に教えてもらえれば理想ですが、期待は禁物。私の場合はあまり教わりませんでした(私の環境が異質なだけかもしれませんが・・・)。独学というか、遊びや好奇心から得た知識がほとんど

 

この仕事において、業務に必要な知識だけを狙って勉強しようとするのは難しいものがあります。なぜなら、「業務に必要な知識」がそもそも何か、の定義が曖昧だと考えるから。

電子カルテが導入されれば、大小いろんなトラブルに遭遇します。院内SEは病院で一番パソコンに詳しい立場である以上、周りに頼るのも難しい状況にあります。それでも、降り掛かってくる問い合わせや障害に立ち向かっていかなくてはなりません。

 

そのために私がおすすめするのが「遊び」「失敗が許される環境」でいろんなことを試行錯誤することによって、実務に使える知識が自然と身についてきます。実践で使える技術を身につけるには、やはり実践してみるのが近道というわけです。

 

医療情報技師の求人を見ると、応募資格に「実務経験」を掲げているところを多く見かけます。資格はあくまで「望ましい」レベル。私がこれだけ実践スキルの習得を勧める理由は、まさに実務ができることが大事だからです。

 

▼医療情報技師育成部会のホームページ。全国の院内SEの求人情報が見られます。

https://www.jami.jp/jadite/new/job.html

 

院内SEに成り立ての頃は、いろんな問い合わせが殺到し、てんてこ舞いになるかもしれません。しかし慣れてくると、サッカー選手がどんな球も軽々とトラップするように、大抵のトラブルに難なく対処できるようになります。すぐには対処できないトラブルであっても、「こうすれば解決に持っていけるな」という見当が付くようにもなります。

そうなれば、自分の裁量が広がり、仕事が面白くなるに違いありません。

 

実際、私はこの仕事を楽しんでやっていますよ!

 

いっぽうで、質問者様は医事課歴17年の大きなアドバンテージを持っておられます。ここは大きな武器となるところです。

この仕事をする上で欠かせないのが、医療事務の知識。電子カルテの動作を決める「マスタ」と呼ばれる設定があるのですが、これを理解するには、診療行為を点数に落とすという病院独特の概念や、診療報酬制度の知識が必要です。

 

例えば、ベンダーから「診療報酬改定でリフィル処方ができるようになります」と言われたときに、医師から「リフィル処方ってなに?」と聞かれたら説明しなくてはなりません。リフィル処方を行うことで現場の運用がどう変わるのか、診療報酬点数はどう変わるのか、も聞かれます。処方箋の書式が変わることくらいは容易に説明できますが、医師ならば病院に入る診療報酬がどう変わるのかも当然関心がありますから、そこも併せて説明できないといけないのです。医事経験のないSEなら、答えに詰まってしまうでしょう。

 

▼2年に1度の診療報酬改定のときにはこのような記事も書きました。改定の時期が来るたびに、一通り中医協の資料を読み込んで「うちにはどんな影響があるかな?」と考えます。

whitefox21.hatenablog.com

 

電子カルテシステムは個々の医療機関に合わせて運用ルールを適応させていくものですので、さまざまな設定作業を行うには診療報酬や施設基準の理解が必要ですし、各部署とのコミュニケーションも必要になります。医事経験があれば、院内の力関係やキーパーソン、重要人物へのコネクションといった事情には詳しいでしょうから、院内SEに求められる調整力を発揮できるはずです。

 

実は院内SEに求められる大事な素質が、コミュニケーション力です。ましてや電子カルテをはじめて導入するならば、仕事を配分するとき大きな議論になります。紙運用をシステム化することで新たに増える仕事もありますので、どこまでの作業を各部署にやってもらうか、院内SEが担当する範囲はどこまでか、などを自らが旗振り役となって動くことになろうかと思います。普段からさまざまな部署と接することの多い、医事課出身ならではの強みが存分に活かせるところです。

 

whitefox21.hatenablog.com

 

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実際、他部署とのコミュニケーションがうまくできず苦しむ院内SEもいます。接し方ひとつで人の対応は変わると思うのですが、対話を避けるあまり周りから変人扱いされたり、こちらからの依頼にろくに協力してもらえなかったりすることが起きます。縁の下の力持ちである医事課は院内の立ち回り方を心得ておられるでしょうから、大きなアドバンテージと言えます。

 

▼未経験から院内SEになるための、独学可能なスキルの学び方をこちらの記事で紹介しています。ぜひ併せて読んでみてくださいね。

whitefox21.hatenablog.com

 

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・・・以上が、ご質問に対する私なりの答えになります。

 

院内SEに舞い込んでくる仕事には、1日がかりで解決するトラブルもあれば、画面が映らないと思ったらコードが抜けていた、なんてしょうもないものまで様々。ITパスポートに合格できる知識があれば少なくともパソコンアレルギーということはないでしょうから、それを足がかりに、遊ぶ気持ちでハード・ソフト両面から勉強していけば、実務をこなせるスキルも付いてくるはずです。

 

今後の参考にしていただけたら幸いです。

ぜひ、院内SEになってこの仕事を楽しみましょう!!

 

 

 最後に

当ブログでは、病院に勤務するシステムエンジニアの私が、関係法令の改正やパソコンのトラブルシューティングなどをSE目線から紹介しています。

 

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