こんにちは。当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
管理人の白狐(しろぎつね)です。
この記事を読んでいるのは、現在システムエンジニアとして働いているが転職を考えている方だと思います。
突然ですがSEの皆さんは、病院という職場にどんなイメージを持っているでしょうか。
「みんなピリピリしてて怖そう」
「閉鎖的そう」
・・・そんなところでしょうか。病気や怪我をしない限り縁のない場所ですから想像しにくいですし、あまり良いイメージはないですよね。
病院のドラマでよく見る風景は飾られたものだろうし、あんなに美男美女が生き生きと働いているわけない。
閉鎖的な空間で、むさ苦しい。
私も初めはそう思っていたのですが、実際働いてみたら結構イメージと違ったんです。
若手もいますし、いつもギスギスした雰囲気というわけでもありません。
キーボードの打鍵音が響き渡るオフィスとはまったく違います。
今回は、そんなネガティブなイメージのある病院に転職してみて、驚いたギャップについて紹介します。
病院ってこんなところ
元システムエンジニアの私から見て、「病院ならでは」と感じるところを挙げてみます。
言うほどきつい性格じゃない。割とクール
言うまでもありませんが、病院は職員の多くを看護師が占めるため女性比率が高く、いわゆる男の体育会系のノリがありません。
若手が多いリハビリだと割と体育会系寄りのようですが、病院職員ということもあり優しい人が多いですね。
人を癒やす場所である以上、職員の振る舞いは患者様に寄り添う姿勢でなければなりません。パワハラ、セクハラに対する院内の監視機関があるなど、一般企業以上に厳しくチェックされていると思います。
医師や看護師の怒号がしょっちゅう飛び交う場面を想像する方もいるかもしれませんが、それは昔の話。どの業界でもそうですが、パワハラまがいの指導をすれば訴えられかねませんし、常時人手不足の業界ですから、いまどきそんなことばかりしていては人が離れる一方です。
また、私のところで言うと飲み会や付き合いの頻度もそんなにありません。お酒を飲まない人もたくさんいるので、飲み会でアルコールを飲まなくても非難の目を浴びることは少ないです。
田舎なので車で参加する人が多く、タクシーや運転代行代がかさむくらいなら車で行こう、という人が多いという理由もありますが。
SE時代に比べ、圧倒的に飲み会の頻度が減りましたね。
院内恋愛はザラ
誰しも気になる男女関係ですが、院内恋愛ははっきり言ってザラにあります。
同僚の、看護師との結婚率の高いこと。
病院では男の方が少ないので情報を集めやすいのですが、既婚者に話を聞くと結構な割合で看護師のケースが多いです。
医療従事者はシフト勤務が多いので、夜勤だったり土日も出勤だったりして、暦通りの休みが取りにくい状況にあります。週末、友だちと飲み会に行きたくても予定が合わない、なんてことが多々あります。
そして学会の準備や資格の勉強などでも忙しく、出会いの場が無い&時間も無いのが実情。
必然的に、職場恋愛に活路を見出すことになります。
現場見てて思いますが、本当に看護師さんって毎日大変で忙しいんですよね・・・。
また、一般企業のサラリーマンには想像しにくいことですが、医療従事者は頻繁に転職します。一番ビックリしたのは、3日で辞めた看護師がいたこと。激務に耐えかねたのか、人間関係に嫌気が差したのか(これが多い気がします)・・・理由は分かりませんが、とにかく人の出入りが激しいです。
しかし職に困らないのも看護師。次の職場もすぐに見つかります。
結婚したら職場を去っていく人もいるので、院内恋愛したら仕事がやりにくいのでは・・・と心配する必要はないでしょう。
せっかちが多い
病院の仕事では緊急性が求められるシーンが多いです。語弊のある表現かもしれませんが、そんな中で仕事しているとせっかちになるようです(笑)。事務方は事務らしく割と落ち着いた人もいるのですが。
「他院に患者を搬送するのに至急紹介状を用意したい」「PACS内のデータをCD化して送りたい」という場合に、システムに不具合があれば迅速に対応しなければなりません。とっさの判断で機転を利かせる瞬発力や、素早く行動に移せる機動力が重要になります。
われわれ病院内SEは、これにうまく対処できないと現場からお叱りを受けたりします。「システムを障害なく動かす」のが仕事なわけですから当然なのですが、原因究明がうまくできないと焦りますね。
でも心配ご無用、経験を積むと勘所がわかるようになります。
SEの仕事でギャップを感じたところ
いっぽうで、IT企業から病院に転職して、「システムエンジニアに求められるものがこうも違うのか」とギャップも多く感じました。
技術的難易度の境界線が違う
職員のほとんどは仕事に関係する範囲でのみPCを使っており、それ以外の部分では素人です。Excelの関数一つ使うだけで「おぉー!」と喜ばれることが多々あります。
「PCがフリーズして動かない、助けて!」と呼ばれ現場へ急行し、タスクマネージャーからプロセスを落としてフリーズを解除しただけで「すぐできるんですね、凄い!」とも言われます。自分では大したことのない作業ですが、相手からすれば「詳しい人」に見えるのです。
が、技術が分からない素人であるがゆえ、技術的難易度の高い要求も平気でしてきます。
「電子カルテから自動でExcelにデータを落とせない?」「内視鏡のオーダーを入力したら同意書も自動でプリントされるようにしてほしい」といった、システムの垣根を超えるレベルの要求をされることも多いです。
もちろん自分ひとりでは対応できないため、ベンダーと相談しつつ実現可能性を冷静に見極めながら対応していくことになります。
IT知識だけが能力ではないということ
情シスに求められる能力は、IT知識だけではありません。
特に「人との接し方」「物の言い方」が非常に重要です。
例えば作業効率向上のためにExcelやマクロを使った提案をしても、「なるべくならPCに触りたくない」という層も多いので拒絶されることもあります。
「ちょっと操作方法を覚えれば済む話なのに、なぜやろうとしないんですか?」などと正論を突きつけるようなやり方では、相手も感情的になって話が進みません。
▼ちなみに病院の情シスに求められる能力については、別記事に書きましたのでよかったら参考にしてみてくださいね。
「意見は言うが退き際も考える」「お仕着せの提案をしない」といった、相手を尊重した仕事の進め方ができるかどうかも大切になります。
言葉だけ聞くと当たり前と思うかもしれませんが、「できているか」と言われれば意外と難しいんです(もちろん、私も勉強中の身です)。
ここに折り合いをつけられず、辞めていく人もたくさん目にしてきました。
▼参考までに、刺激的なタイトルではありますが、私はこの本でコミュニケーションについて考えさせられました。
興味があればぜひ読んでみてください。
「30代で年収3000万」の人は、いつも何を話しているのか? お金も地位も引き寄せる「肉食系」のコミュニケーション術
- 作者:午堂登紀雄
- 出版社/メーカー: 学研プラス
- 発売日: 2014/04/25
- メディア: Kindle版
病院に転職する前まで私が抱いていたイメージとは、結構違うものでした。
今では、この病院の空気が居心地の良いものになっています。
職場の雰囲気は入ってみないと分かりませんが、システムエンジニアの方が病院への転職を考える参考になれば嬉しいです。
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