こんにちは。当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
管理人の白狐(しろぎつね)です。
院内SEは、病院に勤務するシステムエンジニア。
病院は一般企業とは違う独特の雰囲気や風土があり、異業種から転職するにはそこに順応していくことが求められます。
院内SEには前職がIT企業勤務という人も多いため、その違いに驚かされる人も結構います。
なかには、その違いについていけず離職してしまう人も。
どの仕事にも、「向き・不向き」は付き物ですよね。
そこで今回は、院内SEに向いている人の特徴について取り上げます。
目次
院内SEに向いている人の特徴3つ
私の考える、院内SEに向いている人の特徴は次の3つです。
1.ハードウェア、ソフトウェア関わらずパソコンが好きな人
ハードウェア、ソフトウェア関わらずパソコンが好きな人は、院内SEに向いていると言えます。
なぜなら、好奇心がそのまま仕事に生きるからです。
IT企業に勤めていても「パソコンは別に好きじゃない。仕事以外の時間では触りたくない」という人がいます。そのように割り切るのは構いませんが、そうなると業務時間中でだけ、仕事に必要な知識を吸収することになります。
ところが院内SEの仕事は半分「何でも屋」的な位置づけなので、パソコンにまつわる多種多様な仕事が舞い込んできます。そうなると、仕事をこなすのに必要な知識をその都度調べて対処することになり、終えるのに時間を要します。
例えばこんな仕事があります。どれも実際に私自身が経験したものです。
- 故障したプリンタの点検・簡単な修理(紙詰まりや給紙ローラーの清掃など)
- 会議で使う統計資料の編集やブラッシュアップ
- ExcelのVBAを使った業務改善
- 学生の採用活動に使うビデオの制作
- 学会で使うプレゼンテーション資料の作成
システム管理以外の仕事が盛りだくさん。
「プリンタの修理なんて業者がやるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、処方箋を印刷するプリンタが故障した場合は患者さんを待たせられないので、応急処置を取らなくてはなりません。
特にビデオ制作なんて完全にSEの範疇を超えていますが、「パソコンに詳しいなら出来るよね?」と軽い調子で頼まれたりするわけです。
パソコンが好きでなければ、「そんなことまで知らないよ」「何でも知ってると思われたら困る」と思うはず。
逆にパソコンが好きであれば、趣味でマシンを自作してみたり、休日にちょっとしたプログラムを書いてみたりするのではないでしょうか。誰から言われなくても、勝手に自分であれこれ試してみますよね。
そうして遊びで得たスキルが、そのまま仕事に生かせるのです。
自作の経験があれば、メモリ交換やSSDの換装など朝飯前でしょう。例えばパソコンの動作に異常があったときでも、「CPUのファンにホコリが溜まっていて冷却できていないんじゃないか」「ハードディスクだけ交換すればまだ使える」などといった判断ができますよね。
また、病院でもExcelはいろんな場面で使いますから、「この作業が毎日面倒。何とか楽にできる方法ない?」と相談されたときに、マクロが組めればツールを作って提案することができます。
遊びながら覚えた知識が、仕事に生かせるケースが多いのです。
これは、パソコンが好きな人にはうってつけと言えます。
2.人との対話が苦にならない人
院内SEの仕事をする上で、人との対話は避けて通れません。システム障害が起きたときには、職員と円滑にコミュニケーションを取って対処しなければならないからです。
病院職員には初心者が多いので、あるあるネタですが「画面が真っ暗で何も見えない!」と激怒され駆けつけたらコードが抜けていた、なんてことが日常茶飯事。我々からすれば初歩的でも、わからない人にとっては気づけなかったりします。
ましてや医療の現場は常に慌ただしく動いているため、よく考えれば気付けるようなことを見落とすこともあるわけです。
パソコンの操作説明をする際にも、「マウスのスクロール」「Excel関数」といった言葉すら通じない相手の理解度に合わせて説明しなければなりません。コールセンターのように丁寧な態度で臨まなければ、相手の怒りを買うことになります。
「わかるように説明して」「なんでこれができないの」といった質問をされたときに、相手に納得してもらえる説明ができるかどうか。院内SEというとPCに向かってばかりという印象があるかもしれませんが、実はこうしたヒューマンスキルが求められます。
▼ヒューマンスキルの必要性については、こちらの記事で詳しく書きましたので併せてご覧ください。
3.機動力・瞬発力のある人
状況に応じて身軽に行動できる「機動力」、何か問題が起きたときにいち早く動ける「瞬発力」がある人も、院内SEに向いています。
システム障害というものは、いつ起きるか分かりません。朝イチに発生して、外来診療が始まるまでに急いで復旧させなければいけないときもありますし、休日に動かなくなって呼び出されるときもあります。
問題が起きたときに、とっさに反応してすばやく鎮火する、そんな動きが求められるのです。
特に医療の現場はスピードが重視されますので、ひとまずは暫定措置でその場を乗り切り、あとから根本的な対策を取る、といったことをテンポよく進めていくわけです。
これが「能力的に」できるかどうかは、慣れてしまえばできるようになりますので心配はいりません。
大事なのは「とっさに動くことができるか」です。言ってみれば「意思」の問題と言えます。
性格的に、こうした臨機応変さを求められるのが苦手な人がいます。
例えば「綿密な計画を立てて、予定通りに物事を進めていく」のが得意な人だと、このあたりが難しいかもしれません。
状況によっては「とりあえずこれが出来るようにして」「いつまでに直るんだ」とまくし立てられることもあります。「取り急ぎこれで何とかやってください」「休み明けにこういう風に対処します」とさえ言えば現場は納得してくれるものですが、そうした提案が出来ずもたもたしていると、叱責を受けてしまったりします。
障害がいろんな場所で同時多発的に起きることもあり、その場合は被害の全貌を俯瞰し、どういう順序で対処していくかを的確に決めていかなければなりません。障害対応をこなすうちに能力は備わっていきますので、その場その場でテキパキ動くのが嫌でない人は、向いていると言えます。
以上が私の考える、院内SEに向いている人の特徴です。
向き・不向きは参考程度に。最終的には意欲の問題
ここで挙げた向き・不向きはあくまで私感ですので、参考程度にしてもらえればと思います。
最終的に大事なのは意欲です。精神論になってしまいますが、意欲さえあれば院内SEとして働きながらでもスキルを十分身に付けられます。最初は四苦八苦したとしても、腐らず、諦めずに続けていけば体で覚えていくもの。
「自分はこういう性格だから無理」と決めつけるのが一番勿体ないことだと思います。
院内SEを志望する方は、参考にして頂ければと思います。
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