病院のSEとして10年以上働いている@whitefox21seです。
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未経験から院内SEになりたい方にオススメする、独学可能なスキルとして医療事務とSEの2つがあります。
前回の記事では医療事務のスキル習得方法について紹介しましたので、今回はSEのスキル習得方法について紹介します。
通常、仕事に使えるスキルを習得しようと思ったら、学校や職業訓練に通うことを想像するのではないでしょうか。
しかし、独学でも知識を習得することは可能です。
特に転職を考えている社会人にとっては、多忙のなか通学するのは時間的に難しいもの。
「未経験だけど、院内SEを目指したい」
「SEのスキルって何を身に着ければいいのか分からない」
という方に、ぜひ参考にして頂ければと思います。
▼医療事務のスキル習得については、こちらをご覧ください。
目次
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SEスキル ≒ Linuxのスキル
ひとくちに「SEのスキル」と言っても、さまざまな分野がありますよね。
代表的なものには、ソフトウェア開発における要件定義、仕様設計、コーディングなどがあります。コーディングひとつ取っても、組み込み系、アプリケーション系、Web系などによって、扱うプログラミング言語は変わってきます。
そのほか、Webサイトのデザインや、サーバのメンテナンス・パソコンの修理といったハードウェア面も含まれます。
これらのうち、院内SEに求められるスキルで重要なのが、サーバのメンテナンス。これを実務として行うからです。
詳しくは下記記事で触れていますので、興味があれば併せて読んでみてください。
しかし、未経験の人なら当然サーバメンテナンスの知識など、あるはずがありません。
未経験の人が独学で習得するにはどうしたらよいのでしょうか。
近道は、Linux(リナックス)の知識を身に着けることです。
なぜなら、Linuxがサーバ管理の基礎部分だから。
Linuxってなに?
OSの一種です。スマホ全盛期の今は、知らない人も多いかもしれません・・・。
▼Linuxのマスコットキャラ、ペンギン。タックスという名前だそうです。
一般消費者向けのOSとしては、誰もが知るWindowsと、近年躍進めざましいMacがありますが、サーバの世界ではよくLinuxも使われます。Windows Sever(サーバ版Windows)を使うケースも多くなってきてはいるものの、それでもなおLinuxの知識が役に立ちます。
その理由は、Linuxがコンピュータの動作原理に近いOSだからです。
コンピュータが動く原理が分かれば、必然的にメンテナンスもできるようになる、というわけです。
▼代表的なOSのロゴ。Windows、Macは誰でも見たことがありますよね。
コンピュータの動作原理を理解するには、Linuxが最適
では、Linuxの学習をおすすめする理由を説明していきます。
車を例えにしてみましょう。
車のエンジンが不調で、かからなくなったとき。知識がなければ修理屋を呼ぶしかありませんが、車がなぜ、どのようにして動くのか(動作原理)を理解していれば、問題がエンジンなのかバッテリーなのか、などと原因を推測し、自分で対処することができます。
サーバのメンテナンスも同じ。トラブルが起きたときにはその原因がどこにあるのかを突き止めて対処しなければなりません。
そのためには、そもそもコンピュータの動作原理が分かっていなければならないのです。
市販のWindowsパソコンが難なく使えるからと言って、サーバ管理ができるわけではありません。Windowsは一般消費者がパソコンを使いやすいように設計されたOSであり、使い方を知っていても動作原理を知るには至らないからです。
車の運転が上手でも、車が動く仕組みを知っているわけではないのと同じですね。
使いたいときに電源を入れ、用が終わったときにシャットダウンするWindowsパソコンとは違い、サーバは24時間稼働し、さまざまなプログラム(Linux的には「デーモン」と呼ぶ)が常に走り続けています。
その間にサーバが何をしているのか、なぜその必要があるのか、を知っていなければならないわけです。
車の例で言うと、WindowsはAT車、LinuxはMT車、みたいなイメージです。
AT車ではアクセルを踏むだけで車が進みますが、MT車ではスピードに合わせて自分でトランスミッションを変えなければなりません。
AT車限定の免許しか持っていない人は、ギアの入れ換えが必要なこと自体、知らないかもしれません。運転する分にはそれで問題ありませんが、もし自動車を整備する仕事をするなら、知らないわけにはいかないですよね。
MT車が運転できればAT車も難なく運転できるのと同じように、Linuxが使いこなせれば、その他のOSも応用が効くので、だいたい使えます。
操作がシンプル化されたWindowsやMacとは違い、マニュアルで動かす部分が多いOSがLinuxなので、院内SEが学習する知識として最適と言えるのです。
LinuxとはこんなOS
さて、Linuxに触れたことがない方にとってはどんなものかご存じないと思いますので、軽く紹介していきます。
Linuxは、大雑把に説明すると「テキストで動かすOS」です。
下記は、数あるLinuxのディストリビューション(派生型)のひとつ、ubuntu(ウブントゥ)の画面。テキストベースでパソコンに指示していくこの画面を、ターミナルと呼びます。
これを見てワクワクするようなら、院内SEに向いています(笑)。
出典:
https://ubuntu.com/tutorials/command-line-for-beginners#4-creating-folders-and-files
近年ではLinuxもユーザーインターフェース(操作性)の改良が進み、WindowsやMacのようにアイコンやボタンをマウスで操作する画面(GUI:Graphical User Interface、グラフィカル・ユーザー・インタフェース)を搭載するようになりました。
しかし、それでも基礎となるのはやはりターミナルです。
これに対し、テキストベースで動かすインタフェースのことをCLI(Command Line Interface、コマンドライン・インタフェース)と呼びます。
横文字が多いな・・・
余談ですが、Windowsにも似た機能として「コマンドプロンプト」があります。院内SEあるあるですが、これを起動させたとたん「プロっぽく」思ってもらえる必殺技です(笑)。
上で、サーバにWindowsが使われていてもLinuxの知識が生きる、と述べました。
それは、Windowsにおいてもテキストで操作をするケースがよくあるからです。
例えば、特定のパソコンがネットに繋がらなくなったとき。下図のように、ネットワークが通じているかどうかを判断するpingコマンドを使ってテストします。
コンピュータの深い部分を見に行くときは、WindowsであろうとLinuxであろうと、大抵ターミナルを使います。
pingを使うことでなぜネットワークの点検ができるのか、というのも、pingの勉強をすれば理解できます。pingはLinuxとWindowsに共通して存在する命令(コマンド)で、ターミナルを使うことの多いLinuxの方が、より多くのコマンドに触れることになります。
このように、Linuxを知ることは、コンピュータを深く理解することにつながり、それによってサーバ管理の業務が務まるということになります。
以上が、私がLinuxをおすすめする理由です。
私がおすすめするLinuxの学習方法
しかし、Linuxの難点が一つ。なかなか教わる機会がないということです。
自分で覚えようにも、WindowsやMacは店で売っているパソコンを買えば手に入りますが、Linuxは売っていません。一般消費者向けではないからです。
Linuxはオープンソース(OSの中身が無償で公開)であり、実は誰でも、インターネットから無料で手に入れることができます。
が、どんなパソコンにどうやってインストールすればいいのかは誰も教えてくれませんし、上級者向けのOSであるためハードルが高く、Linuxを初めて触る方には難易度が高いです。
私のように、遊びながら覚える時間的余裕があれば別ですが・・・。(その方法もこのあと紹介します)
▼上記で紹介したUbuntuは、こちらの公式サイトからダウンロードできます。興味があれば、覗いてみて下さい。
Homepage | Ubuntu Japanese Team
▼自力で挑戦してみたい方は、書籍を買って試すのも手です。
そこで、Linuxを学習するための方法を3つ紹介します。
方法1 通信講座を使って短期間で学習する
最もおすすめするのが、オンラインの通信講座を受講することです。なぜなら、短期間で済ませることができるから。
例えば学習スクールの「CODE x CODE」では、テキストや動画を使ってオンラインでLinuxを学ぶことができます。
通信講座は独学とは言えないかもしれませんが、それに近いので紹介しておきます。
このスクールは、Linuxの資格取得を到達目標としています。
LPICとは、Linuxの知識を証明する国際規格の試験。これに合格することが、「CODE x CODE」のゴールとなりますので、目標を持って学習を進められます。
▼ちなみに院内SEになるために有利な資格は、「基本情報技術者」「Microsoft Office Specialist」「医療情報技師」の3つだと私は考えています。こちらの記事で詳しく取り上げましたので、参考にしてください。
方法2 学校に通う(スクーリング)
次に、資格の学校に通うという方法があります。対面形式で授業のように教わるので、勉強につまづいても講師や周囲に聞くことができます。
通信講座ではどうしてもダラケてしまう、自宅では集中して勉強できない・・・という方におすすめです。
しかし学校では、Linuxの勉強をするというよりはシステムエンジニア養成教育の一環で学ぶという意味合いが濃くなります。Linux以外の教育プログラムもカリキュラムに入ってくるので、学習がやや横道にそれる可能性があります。
また通学形式(スクーリング)であるため、通信教育に比べて学費が高いのが難点。Linuxの知識を身につけるためだけに通うには、ややハードルが高いかもしれません。
Linuxの技術者認定機関であるLPI-JAPANが、Linuxの専門資格を持った講師の授業が受けられる認定校を公表しており、下記ページから検索できます。
お住いの地域で、いくらくらいの授業が受けられるのか調べてみるのもいいでしょう。
方法3 独学で勉強する
最後に紹介するのは、独学で勉強すること。時間と手間はかかるけれど、最もお金をかけずに知識を身に付ける方法です。
例えば、
「今の仕事を続けながらコツコツLinuxを勉強し、資格を取った段階で転職活動する」
「学生だから時間に余裕がある」
という方におすすめできます。
上で紹介したLPI-JAPANの公式サイトで、学習教材が販売されています。通信講座が数十万円するのに比べ、教材だけなら数千円で済み、圧倒的に費用の負担が少なく済みます。
書籍だけでなくビデオ形式でも学習できますので、自分でやってみようという方はぜひチェックしてみましょう。
また、私のように、最悪壊してもいいようなパソコンを中古で買い、自分でいろいろいじってみるのも面白い学習方法です。
中古パソコンを買うには、安く買えるネット通販がおすすめ。楽天市場で高評価を得ているやすもんや 、頑丈なThinkPadシリーズを専門に取り揃えたThinkPad専門店 Be-Stock 、パソコンの聖地・秋葉原の秋葉原中古PC通販OraOrA ! あたりで探してみると、良い1台に出会えるのではないでしょうか。
パソコンでなくても、例えばRaspberry Pi(ラスベリーパイ)のような教育向けの電子工作キットであれば、Linuxを動かすことができます。童心に帰ったつもりで、遊び感覚で楽しむのもアリです。
思うがままにイジれるので、時間があるなら一番おすすめできる方法ですよ。
やっぱり、楽しんで学べるのがいいよね。
ややパソコンの範疇から出ますが、LEDをつないでランプを点灯させたり、液晶ディスプレイをつないで小型のパソコンを作ることもできます。Raspberry Pi は小型のわりに性能が高いので、ネットやメールを見るくらいなら難なく出来ます。
Raspberry Pi には、「Raspberry Pi OS」という独自のLinux系OSが用意されています。
ただし、相当パソコンいじりが好きな人向けですね。好きな人でないと続きません(笑)。
以上、未経験から院内SEになるための独学可能なスキルとして、Linuxを紹介しました。
個人的には、「パソコンに詳しい人」と「院内SE」の決定的な差はLinuxを扱えるかどうかだと思っています。なぜなら、Linuxの用途は主にサーバであり、サーバの管理ができるということはLinuxを扱えることと等しい、と考えるから。
Linuxを私生活で使う人は、筋金入りのオタクと言えるでしょう(笑)。
これから院内SEを目指す方は、参考にしてみてくださいね。
最後に
当ブログでは、病院に勤務するシステムエンジニアの私が、関係法令の改正やパソコンのトラブルシューティングなどをSE目線から紹介しています。
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