病院の情シスで働く医療情報技師の奮闘記

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医療情報技師が注目する、2022年11月のニュース

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病院のSEとして10年以上働いている白狐(しろぎつね)です。

 

ついに北海道では雪が降りました。タイヤ交換も終わり、スノーダンプや雪かき道具を物置から引っ張り出して、雪への備えは万端です。例年だと初雪はチラチラと降るだけで終わるのですが、今年はいきなりの豪雪となり、早くも雪かきに追われています。

昨年は札幌を中心に災害級の雪が降りましたので、今年は穏やかであることを切に願っています・・・。

 

さて、今話題沸騰なのがサッカー・ワールドカップですね。私もにわかサッカーファンでW杯は毎回楽しみにしていますが、ここのところ日本代表は実力選手揃いにもかかわらず戦績が悪く、今大会では過去最難関と言われる「死のグループ」に入っていたので、グループリーグ突破などできるわけがない・・・と大して見ていませんでした。

ところが蓋を開けてみれば、ドイツ、スペインという超強豪国を下し、コスタリカに負けを喫するも文句なしの1位でグループリーグ突破。この2国には、いずれも過去に1度も日本は勝ったことがありません。それをW杯で達成するという偉業を果たしたわけです。まさに日本全土が湧き上がっているところでしょう。

物価高騰や新型コロナウイルスなど景気の悪い話ばかりの今、日本に明るいニュースをもたらしてくれた日本代表にエールを送りたいと思います。

 

では、医療情報技師の私が注目した、2022年11月のニュースを3本取り上げます。11月には、一年に一度の大型学会・医療情報学連合大会が4日間にわたり開催されましたので、こちらについても簡単に触れていきます。

 

目次

 

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大阪急性期・総合医療センターで電カルシステムに障害

 

medical.nikkeibp.co.jp

 

またしても病院がランサムウェアの毒牙にかかってしまいました。電子カルテと接続された給食提供システムのVPN機器を経由して侵入したとみられ、2022年12月2日現在も完全には復旧していません。12月中には基幹システムを復旧させる見通しとのこと。

 

▼セキュリティ関連のニュースに詳しいpiyologさんにて、本事件が時系列でわかりやすくまとめられています。

piyolog.hatenadiary.jp

 

865床の大病院で、サーバーが100台稼働していたので大規模なシステム構成。これだけ大きいと復旧にも相当な時間がかかりそうですが、病院公式サイトによると部分的にカルテが閲覧できるようになっているそうで、情シス担当者の苦難が目に浮かびます・・・。

情シスのスタッフは6名在籍されているようですね。システム全体の構成図が公式サイトに公開されていますので、興味があれば一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

 

 情報企画室 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター

 

なお、侵入されたとみられる給食提供システムのVPNには、つるぎ町立半田病院で使われていたものと同じ「FortiGate 60E」が用いられていたようです。脆弱性が知られている機器を狙って攻撃されたものと思われます。

 

半田病院の場合、ウイルス対策ソフトが無効になっていたり、情シスが一人しかいなかったりなど、システム管理体制の不備が調査委員会の報告書で指摘されていました。しかし大阪急性期・総合医療センターでは半田病院の事件を踏まえたセキュリティ対策を講じており、管理体制の整った病院でも被害が出てしまったことには、衝撃を隠せません。

 

▼半田病院の報告書についてはこちらの記事で紹介しました。併せてご覧ください。

whitefox21.hatenablog.com

 

医療情報技師として今後どのような防御策を考えるべきなのか。続報から目が離せません。

 

併せて読みたい  サイバー保険とは?事故例とともに病院での必要性を考える
 Emotet(エモテット)に気をつけろ!実際のメール例も紹介

 病院でもメールの添付ファイル(PPAP)は禁止すべき理由 

 

 

 

第42回医療情報学連合大会・第23回日本医療情報学会学術大会

jcmi42.org

 

年に一度開かれる、医療情報の大型学会「医療情報学連合大会」が、11月17日~20日にかけて札幌で開催されました。医療情報技師の資格ポイントが一度に7ポイント得られるので、可能なら出席するのがオススメ。今年は北海道開催とあり、本来ならばここぞとばかりにストレスを発散すべく現地へ行くところなのですが、北海道は感染拡大中ということもあり、やむなくオンラインでの出席。交通費・宿泊費などのお金がかからないので、これはこれで嬉しい側面もありますね。

 

主に聴講したのは電子処方箋関係。稼働開始が2023年1月に迫る中でのタイムリーなテーマで、調剤薬局や調剤システムベンダーの生々しい話を聞けたので勉強になりました。「言うは易く行うは難し」で、紙をデジタル化すると言っても現場の運用は様変わりします。「薬局からの疑義照会にはどう対応するのか」「社保と労災など、1処方で保険が分かれる場合はどうなるのか」など、現場で動く職員ならではの質疑応答があり、聞いている感じではスムーズな運用開始とはいかなさそうに思えました。

 

そもそも電子処方箋を導入するには、マイナ保険証(=オンライン資格確認システム)への対応が必須。厚労省は医療機関に対し、2023年3月までの対応を義務付けましたが、それが決まったのは今年の8月。あまりに性急な話ですし、半導体不足の影響でパソコンや関連機器が予定通り納入されるのかも不透明。まずはマイナ保険証の普及率向上が先だと思うのですが・・・どうも先走り感が否めません。

 

ところで、来年の医療情報学連合大会は神戸市で開かれることが決まっています。その頃にはコロナが収束し、遊びに行けたらいいなぁ・・・と思います。病院が費用を出してくれたらの話ですが。

 

▼ちなみに最近、医療情報技師の資格を更新しました。こちらの記事でやり方をまとめています。

whitefox21.hatenablog.com

 

▼余談ですが、出張で札幌へ行くなら「ついで寄り」がオススメ! 北海道は広いので気軽に隣町へ行くことは難しいのですが、交通手段やアクセス方法を事前に調べておくとついでに寄ることも可能です。道民の私がこちらの記事で力説しましたので、興味があったらぜひチェックしてみてください!

whitefox21.hatenablog.com

 

併せて読みたい  第24回日本医療情報学会春季学術大会に参加しました

 第38回医療情報学連合大会/第19回日本医療情報学会学術大会 に参加

 コレをやるだけ! 医療情報技師 一発合格の勉強方法

 

 

オンライン診療でも「マイナ保険証」、政府が24年導入の方針

 

www.yomiuri.co.jp

 

政府は、オンライン診療にもマイナ保険証を導入する計画だそうです。たしかにこれらは相性がよいので、患者にも病院にも便利になると思います。

 

オンライン診療でイマイチなところが、保険証の確認。オンライン診療アプリでは、患者が健康保険証を写真に取り、それを医事職員がアプリ経由で確認して保険情報を医事システムへ打ち込むという、デジタルなようでいてアナログなやり方をしています。患者がスマートフォンでマイナ保険証を読み取り、データとして保険情報を病院へ伝えることができれば、医事職員の負担軽減や入力ミス削減にもなります。

 

受付から会計までオンラインで完結させるには、いかにアナログな部分をなくせるかがカギ。マイナ保険証とオンライン診療は親和性の高いものですので、利用が進めばいいなと思います。

 

併せて読みたい  【2023年4月義務化】オンライン資格確認ですべきことをおさらい!

 【2022年4月版】マイナンバーカードの保険証利用の状況

 オンライン資格確認対応の医療機関一覧を見るには

 

 

 

以上、医療情報技師の私が注目した、2022年11月のニュースを紹介しました。

 

いよいよ12月に入り、2022年も終わりが近づいてきました。来年もオンライン資格確認義務化、電子処方箋、サイバー攻撃対策と、医療情報技師が手掛ける仕事は目白押し。年内にやり残したものを整理しつつ、来年を迎えたいところです。

 

 

 最後に

当ブログでは、病院に勤務するシステムエンジニアの私が、関係法令の改正やパソコンのトラブルシューティングなどをSE目線から紹介しています。

 

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