病院の情シスで働く医療情報技師の奮闘記

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医療情報技師が注目する、2022年7月のニュース

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病院のSEとして10年以上働いている白狐(しろぎつね)です。

 

8月に入り、猛暑日が続いていますね。夏が涼しいと言われる北海道も、ここ数年は蒸し暑い日が多くなりがち。「クーラー不要神話」はもはや崩れつつあり、室外機を付けた家が多くなりました。

新型コロナウイルスの猛威も依然衰えることを知らず、夏バテや夏風邪にも気を付けたい時期。暑さ対策と健康管理をしっかり行い、体調を崩さないよう注意したいですね。読者の皆さまも、どうぞご自愛ください。

 

▼最近、職場でこれを装着した人が増えてきました。首から落ちそうに思えますが、意外としっかり固定されて邪魔にもならないそうです。

 

さて今回の記事では、2022年7月に報道されたニュースの中から医療情報技師の私が気になったものをピックアップし、私的な意見を交えながら紹介します。

 

目次

 

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USBメモリー紛失業者、30年以上の「ベンダー・ロックイン」

 

www.yomiuri.co.jp

 

兵庫県尼崎市で起きたUSBメモリーの紛失事案で、紛失した業者は30年以上にわたり市から業務委託を受けていた会社であり、市と業者の関係は長らく固定化された「ベンダー・ロックイン」の状態にあったことが分かりました。ベンダー・ロックインは受発注者のマンネリ化やブラックボックス化を生みやすいと言われており、この事案はその典型例とみられます。記事によると市は業者が下請けへ再委託・再々委託していたことも知らなかったようで、管理業務を丸投げした状態が長期間続いていたわけですね。

 

ベンダー・ロックインが起きる原因は、システムがベンダー独自の技術に依存したものであるから。発注側からすれば納品後の管理もベンダーへ任せきりにでき、受注側も安定して委託料をもらえるのでお互いにとってWin-Winかもしれませんが、監視やチェックが惰性になりやすく、競争も起きないため、なあなあの関係になってしまいがちな負の側面があります。

 

こうした状況は病院も似ています。電子カルテシステムも、病院の運用に合わせて経過とともに高度化・複雑化していくため、メンテナンスにはそれらを熟知した技術者が必要になります。システムを他社製へ移管するにしても製品仕様が違うため、データ変換などにかかるコストが膨らみがち。こうした背景から、特定のベンダーに依存した体質になりやすい傾向にあります。

「ベンダーに任せきりで、システム改修の履歴や経緯は何も知らない」「誰が何の業務を担当しているのか把握していない」といった状況では、いつかは問題が起きるかもしれません。あらためて、自院の管理体制を振り返ろうと思わされたニュースでした。

 

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病院システム改修しやすく 厚労省、仕様統一でコスト減

www.nikkei.com

 

上のニュースに関連した内容で、厚労省が病院システムの仕様統一を進めるという報道。仕様が統一されれば病院はベンダー依存から脱却でき、適正な競争のもとシステム改修費を抑えられるよね、という話です。

 

5月の記事で、病院や自治体が医療情報を共有する「全国医療情報プラットフォーム」創設の話題を取り上げましたが、これの事前準備とみられます。

 

whitefox21.hatenablog.com

 

病院システムはベンダー独自の仕様であることが多いため、異なる仕様のデータをつなぎ合わせなければならず、ひとくちに情報共有と言っても簡単に受け渡しできるものではありません。そこで、まずは仕様を統一させてその垣根を取り払おう、というわけです。

 

仕様が標準化されれば、開発や改修にかかるコストの削減になり、かつ医療機関同士で情報共有する基盤が整うことになりますので、厚労省としては一石二鳥でしょう。ただ、全国の病院に導入された独自仕様のシステムを統一化していくのはかなりの難工事になりそうですが・・・行方に注視したいですね。

 

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【独自】国家機密の管理は国産クラウドで…技術開発を後押し、23年度の運用目指す

www.yomiuri.co.jp

 

クラウドサービスは今やアマゾン、マイクロソフト、グーグルの3社による寡占状態ですが、国民の個人情報や国の機密情報を扱う場合は安全保障上、国産のクラウドに預ける必要があると判断し開発を急ぐ、とのこと。

 

医療情報技師の端くれとして昨今のクラウドサービスの繁栄に少し危機を感じていたので、国のこうした動きには期待したいですね。

 

喉元過ぎれば・・・ですが、以前、LINEが韓国のサーバーにデータの一部を保管していたことや、Zoomが中国のサーバーを経由して通話データを送受信していたことが問題視されました。個人が楽しむ範囲や業務効率化の目的であればある程度は許容範囲と受け止められるでしょうが、国が管理するデータについては万が一の事態も考えて保管先を選ぶ必要があります。

 

国内では、富士通が国産を売りにしたクラウドサービスを既に提供しています。まだまだ本格的な普及には至っていないでしょうが、国の後押しを得て、力をつけていってほしいなと願うところです。

 

jp.fujitsu.com

 

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以上、医療情報技師の私が注目する2022年7月のニュースを紹介しました。

 

イケイケドンドンでIT化を進める病院もありますし、周囲に足並みを揃えて様子見しながら進める病院もあります。IT化には一長一短がありますので、システム管理者の立場としては、病院の進む方向性を経営陣と確認しながらメリット・デメリットを天秤にかけつつ、なるべくニュートラルな立場で提案したいなと思うところです。

 

 

 最後に

当ブログでは、病院に勤務するシステムエンジニアの私が、関係法令の改正やパソコンのトラブルシューティングなどをSE目線から紹介しています。

 

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