病院の情シスで働く医療情報技師の奮闘記

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未経験で病院内SEになった私が、学生時代に身につけたかったスキルとは

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こんにちは。当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

管理人の白狐(しろぎつね)です。

 

「学生時代にもっと勉強しておけばよかった」

「若い頃にもっと遊んでおけばよかった」

 

誰しも、一度は感じたことがあるはず。

病院でシステムエンジニア(病院内SE)として働く私も、過去にああしておけばよかった・・・と今でも嘆くことがあります。最初から分かっていれば、苦労することもなかったのに、と。

 

病院内SEになるためには、特別な資格は必要ありません。医療情報技師という資格はありますが、民間資格であり免許ではないので、なくても仕事に就くことはできます。

 

しかし資格がなくても務まるとはいえ、専門的なコンピュータの知識や経験が求められます。まして未経験でやるとなれば、毎日勉強してでも、怒られてでも覚えなくてはいけません。

 

病院内SEをやってみたいけど、「どんな勉強をしたらいいか分からない」「どんなスキルが必要なのか」を知りたい方もいるでしょう。実は病院内SEに求められるスキルというのは、座学よりも遊びながら学ぶことの方が多いんです。

 

「遊びながら」学べる時間があるのは、やはり学生のうちです。そこで本記事では現役で病院内SEとして勤める管理人が、自分の経験上、「学生時代にもっと身につけかったな」と思うスキルを紹介します。

 

 

▼病院内SEについて知りたい方は、こちらの記事で紹介していますのでぜひご覧ください。

whitefox21.hatenablog.com

 

病院内SEに大事な3つのスキル

 

病院内SEとして管理人が大切にしているスキルは3つあります。それは

 

「自作PCのスキル」

「トラブルシューティングのスキル」

「対話スキル」

 

です。

 

これらは大学の講義で習う内容ではありませんし、誰かが教科書的に教えてくれるものでもありません。意識的に取り組まなければ身につかないものです。

 

病院内SEに興味のある方は、ぜひ着目して頂きたいと思います。

 

自作PCのスキル

 

自作PCのスキルは、PCが壊れたときやメンテナンスに欠かせません。動作が重いのでメモリを増やしたい、ハードディスクが故障したから交換したい、果ては長いLANケーブルを敷設したいから自前で作りたい、などなど・・・。

こうしたスキルというのは、情報系の大学と言えども教わりませんし、自分でやってみる以外に知る機会もほとんどありません。

 

学生の方にオススメしたいのは、自分で使うPCを自作すること。パーツ選びから組み立て、メンテナンスを一通りやることで、自然とハードウェアの知識が身につきます。

どのパーツがどんな役割を果たすのか、性能を上げたければどの部品を交換するのがベストか、CPUの冷却効率を上げるにはどうしたらいいか・・・などなどを遊びながら蓄えることができます。

 

最近はスマートフォンの普及で、PCに触らない人も多いと聞きます。今は新品のPCでも安価なモデルが簡単に手に入りますし、「壊れたら直すよりも買い直したほうが安くて早い」という時代の風潮もあって、動かなくなったPCを自分でいじって直す機会が少なくなっています。いちユーザーとしてはそれで構いませんが、エンジニアとして食べていくのなら、好奇心を持って積極的にPCに触れてほしいと思います。

 

職場では「壊れてもいいからいじってみる」なんてことが出来ません。それに仕事が忙しい社会人になってからでは、なかなか遊ぶ暇も気力もなく、週末は昼まで寝るか、お酒を飲んでお終いです(笑)。結果が求めらない「遊び」に、大事な学びが詰まっているんです。

 

 

トラブルシューティングのスキル

 

トラブルシューティングとは「問題を解決する方法」を意味します。これも実践からのみ得られるスキルです。

 

PCが起動しなくなった、サウンドが出ない、内部からカラカラ音がする、といったトラブルを解決するためには、実際にPCに触れて試行錯誤したり、分解して部品の状態を確認したりする必要があります。「こういうときにはこうする」といった指南書があればよいのですが、精密機器であるPCのトラブルは原因も解決方法もさまざまで、とにかく場数を踏んで経験しないとコツが掴めません。

 

私の場合、職場でのPCトラブルに対してはほとんどが数十分で解決できています。トラブル対応するときは大抵フローチャートを用意して、原因を切り分けながら解決方法を探るのが一般的だと思いますが、少しPCを触ってみるだけで原因が分かってしまいます。

 

「どうしてそんな早く直せるんですか?」と聞かれますが、自分で散々PCを弄り倒して、壊したり直したりしながら学んだ賜物です。

 

遊びの範囲だからこそ好きにいじれるのであり、そうでなければ壊すリスクを恐れて何も出来ません。試しにやってみたことがマグレでうまく行って、新たな発見をすることもあります。その意味で、「遊び」がとても大事です。

 

スマホで何でも検索できる今では、「ググれば分かるでしょ」と思うかもしれません。しかし、検索結果は玉石混交であり役に立つ情報もそうでない情報もさまざまです。時間をかけて試行錯誤すれば答えにたどり着くでしょうが、仕事として必要なのは「タイムリーに素早く解決すること」ですから、トラブルの都度調べていては埒が明きません。特に医療現場はスピードが求められますので、場数を踏んでノウハウを自分の血肉とすることが大切です。

 

 

対話スキル

 

さて、病院内SEのキモとも言えるスキルがこの対話スキルです。「SEなんだから人と接しないでしょ」と思うなかれ、このスキル次第で仕事のしやすさが圧倒的に変わるのです。

 

院内で稼働するシステムで軽微なトラブルについては病院内SEが対応しますが、サーバの故障やシステムの改修などは納品者であるベンダーが行います。現場の医療従事者から出る要望をすべて反映させることはできませんので、両者の間を取り持ち、折り合いをつけていかなければなりませんその役を担うのが病院内SEです。

 

実現不可能な要望や予算度外視の要求に対しては、理由を説明して納得してもらわなければなりません。ところが、できない理由を淡々と伝えるだけでは相手の怒りを買い、「そこを何とかするのが仕事だろう!」などと叱責されかねません。折り合いがつかないままではいつまでも結論が出ず、時間と労力が削られていくだけです(笑)。

 

「現状では要望のとおりにはいきませんが、代わりにこういう方法はどうでしょうか」「ここまでなら出来ますので、それ以降の部分については引き続きベンダーへ改修を依頼します」というように、代わりの案を用意した答え方が必要になってきます。

 

人間とは感情の生き物です。よくよく話を聞いてみると、実は改善要望の内容はそれほど大事ではなく、現場の大変な現状を知ってほしかったとか、とにかく使いづらいから次に繋がる意見を言いたかったとか、そうした理由で要求していることもあります。

相手の話を聞いた上で、システムの話をすると「それなら仕方ないか」「次のシステムを入れるときは考えてよね」で終わらせてくれたりします。

 

「無理なものは無理です」というように傍観者的な話し方をするのと、「現状では難しいですが、こういうやり方でひとまずはお願いできませんか」と言うのとでは、どちらも結果的に要求が受け入れられなかったとしても、現場の受け止め方がまったく違います。前者では「うちのSEは何も仕事しない」となり、後者では「うちのSEは現場の話をよく聞いてくれる」となります。

 

これって、対人間ならではの悩みなんですよね。問題が解決していなくても、気持ちが晴れればそれで良い、というのは釈然としないのですが、それも人情というもの。

 

医療従事者の声を聞いていると、システムの至らない点に頷けることも多々あります。エンジニアの視点でだけ物事を考えていると彼らの要求が理解できません。病院内SEも同じ病院に勤める職員ですから、医療従事者の立場になって考えてみることが大切です。もちろん、何でも現場の要求を飲むわけにもいきませんので、実現可能性を考えながら、です。

 

私はこの「対話スキル」を磨くのがもっとも大変でした。気難しい医師や気の強い看護師を相手に話を進めるのは骨が折れます。学生時代は勉強とゲームばかりでしたので、もっとバイトをやって社会経験を積んでいれば苦労せずに済んだかな・・・と思いましたね。

 

 

以上、病院内SEに興味がある学生の方向けに、ぜひ身につけてほしいスキルを3つ紹介しました。

 

病院を取り巻くIT環境は多機能化・複雑化するいっぽうで、今後ますます病院内SEの存在は不可欠となります。さらには、医療従事者の立場を理解できるSEはこれからAIやRPAの活用、サイバーセキュリティ対策などさまざまな面で病院経営にコンサルトする形で関与していくことになるはずです。

 

本ブログでは病院内SEになるための情報を発信していますので、興味を持った方はぜひ他記事も読んでみてくださいね。

 

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