病院の情シスで働く医療情報技師の奮闘記

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医療情報技師がchatGPTの回答を添削してみた

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お題「chatGPTの回答を添削してみた」

 

病院のSEとして10年以上働いている@whitefox21seです。

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自然言語による対話型AIのchatGPTが賑わっていますね。IT業界のみならずテレビや新聞でも報道されるほどの熱狂ぶり。早速私も触れてみたところ、噂通りの優秀さで「これはすごいな」と驚嘆させられ、Google検索に取って代わる存在になりうると感じました。

その実力を確かめるため、今回は医療情報技師についてchatGPTにいろいろと聞いて、その回答を医療情報技師の私が添削してみたいと思います。

 

目次

 

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はじめにこれより以下の設問と回答は、chatGPTが生成したものです。

 

Q. chatGPTとは?

A. ChatGPTは、OpenAIが開発した自然言語生成モデルの一種です。ChatGPTは、人工知能の技術を用いて、テキストチャットのような形式で人とコミュニケーションを行うことができます。

 

ChatGPTは、大量のテキストデータを学習して、人間のように文章を生成することができます。ユーザーからの質問やリクエストに対して、自然な形式で返答を生成することができます。

 

このモデルは、情報提供やサポート、カスタマーサービスなどのタスクに利用されることがあります。また、一般的な質問やトピックに関する情報提供などのタスクにも利用されます。

 

ふむふむ。本当に自然な日本語だな。AIもここまで来たか、という感じ。

 

でも文章が堅くて、機械的な印象を受けますよね。

 

chatGPTは自然言語を用い、理路整然とした文章展開や箇条書きによって、わかりやすく簡潔に回答を提示してくれます。いっぽうで抑揚がなく、文章にドライな印象を受けますね。

 

 

Q. 医療情報技師とは?

A. 医療情報技師(Medical Information Technician)は、医療現場でのデジタル化・情報化に関連するタスクを担う専門職のことです。彼らは、医療施設内での患者情報の管理、情報システムの運用、データベースの管理などを行います。

 

医療情報技師のタスクには以下のようなものがあります:

 

患者情報の管理:患者の診療記録や検査結果などの情報をデータベースに登録し、管理する。

 

ITサポート:院内のスタッフや患者が利用するデジタルツールなどに関する問題を解決する。

 

データベースの管理:院内のデータベースを管理し、データの保存や分析などを行う。

 

技術トレーニング:院内のスタッフに対して、デジタルツールやシステムの利用方法などをトレーニングする。

 

情報セキュリティの確保:院内の患者情報やシステムのセキュリティを確保する。

 

医療情報技師は、医療施設内の情報システムの運用・管理に重要な役割を果たします。彼らは、院内のスタッフや患者がよりスムーズかつ安全に情報をアクセスできるように、情報システムの運用や管理を行います。

 

おぉー・・・かなり的確な回答じゃない?

 

「医療情報技師」という資格は日本独自のものですが、chatGPTが生まれたアメリカでも同じ仕事(Medical Information Technician)があるんですね。

 

いずれの項目も医療情報技師の仕事として適切です。最後の一文も、この仕事の要点をわかりやすくまとめていますね。

しかし「医療施設内での患者情報の管理、情報システムの運用、データベースの管理などを行います」には補足が必要。日本で言う「医療情報技師」は、病院情報システムを設計・開発・運用する職種のことを指し、病院に勤務して運用に当たることもあれば、システム開発ベンダーで開発を行う場合もあります。病院情報システムは専門性が高い分野であり、医療従事者と対話できる程度の知識が求められるため、ベンダー側が医療情報技師の資格を取るケースも多く見られます。

 

▼「医療情報技師とは」に対する私の回答をこちらの記事にまとめています。併せて読んでみてくださいね。

whitefox21.hatenablog.com

 

なかなか優秀ですね。では今度は「院内SE」について聞いてみましょう。

 

 

Q. 院内SEはどんな仕事?

A. 院内SE(Hospital System Engineer)は、医療施設内でのITシステムやデジタルツールを管理、運用する仕事です。院内SEは、様々なデジタルツールやシステムを採用し、患者のケアを改善するために活用することができます。

 

院内SEのタスクには以下のようなものがあります:

 

ITシステムの設計・開発:院内に必要なデジタルツールやシステムを設計・開発する。

 

データベースの管理:院内のデータベースを管理し、データの保存や分析などを行う。

 

ITサポート:院内のスタッフや患者が利用するデジタルツールなどに関する問題を解決する。

 

セキュリティ管理:院内のデータやシステムのセキュリティを確保する。

 

技術トレーニング:院内のスタッフに対して、デジタルツールやシステムの利用方法などをトレーニングする。

 

院内SEは、医療現場でのITシステムやデジタルツールの有効活用に対する重要な役割を果たします。彼らは、院内のスタッフや患者がより良いケアを受けるために必要な情報をスムーズかつ安全にアクセスすることができるように、システムの運用・管理などを行います。

 

医療情報技師と回答が似てるけど、ちょっと違う?

 

「患者情報の管理」に代わって「ITシステムの設計・開発」が入りましたね。

 

医療情報技師を「医療現場でのデジタル化・情報化に関連するタスクを担う専門職」と位置づけたのに対し、「医療施設内でのITシステムやデジタルツールを管理、運用する仕事」との答え。たしかにこれもその通り。SEとしての側面に重きをおいた要約です。

 

驚いたのは、医療情報技師のほうには「患者情報の管理」、つまりカルテ情報の管理という項目を入れたのに対し、院内SEでは「ITシステムの設計・開発」を持ち出したこと。院内SEのなかには、ベンダーのSEとして病院に常駐し、システム開発を行うケースもいますので、chatGPTはこれら2つの職業の違いをしっかり分別できていることになります。なかなかやりますね・・・。

 

▼院内SEの仕事内容については、以前こちらの記事にまとめました。人間が書いた回答を知りたい方は、参考にしてください。

whitefox21.hatenablog.com

 

では次に、こんなことも聞いてみましょうか。

 

Q. 医療情報技師の年収は?

A. 医療情報技師の年収は、地域や経験、勤務先などによって大きく異なります。一般的に、医療情報技師の平均年収は米国では50,000米ドルから70,000米ドル程度とされています。これは一般的な職種の年収と比較するとやや低い方ですが、この仕事には他の多くの職種にはないメリットがあります。例えば、医療情報技師は、健康保険や社会保障などの制度の利用によって得られるメリットがあります。また、彼らは常に最新の技術を使用することができるなど、キャリアアップのチャンスもあります。

 

アメリカでは医療情報技師の年収は低いんだ・・・

 

高い方ではない、という点で日本と同じですね。

 

chatGPTはアメリカ生まれなので、データの根拠もアメリカ由来になります。仮に為替レート134円/ドルとすると、アメリカの医療情報技師の年収は670万円~938万円との回答。向こうの国の年収事情はわかりませんが、これで「一般的な職種の年収と比較するとやや低い方」だとは・・・。日本人の感覚だと高給取りですが、アメリカは日本以上にインフレが進んでいますので、物価を考慮すればこれでも平均以下なのかもしれません。

 

▼なお、私が考える医療情報技師の年収はこちらで紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

whitefox21.hatenablog.com

 

余談ですがこれだけ円安が進んでいると、海外へ出稼ぎする人が増えても不思議じゃないなぁと感じますね。海外で外貨を稼ぎ、円に替えれば結構な為替差益が生まれるわけで・・・。出稼ぎはそう簡単にできるものではありませんが、日本の未来を不安に思ってしまいます。

 

憎いのが後半のパート。年収を聞いているのに、年収以外のこの仕事のメリットを添えてきました。病院勤務であれば何らかの職員優待サービスが受けられるでしょうし、医療現場で得た知見を活かしてベンダーへの転職といったキャリアアップも可能性としては有り得ます。見当違いなことは言っておらず、人間味のある回答だと思いますね。

 

 

Q. 医療情報技師になるには?

A. 医療情報技師になるためには次のステップを踏むことが一般的です。

 

学校での学習:専門学校や大学での医療情報技術(HIT)または医療情報科学(HIS)の専攻があります。これらのプログラムでは、医療情報システム、データベース管理、プログラミング、ヘルスケア経営などに関連するトピックを学ぶことができます。

 

実践経験:医療情報技師になるには、実際の現場での仕事経験が重要です。インターンシップやボランティア活動などを通じて、医療現場での仕事に関連するスキルを習得することができます。

 

資格取得:医療情報技師の認定資格(RHITまたはRHIA)を取得することも重要です。この資格は、仕事に必要なスキルと知識を証明するものです。

 

仕事探し:学校や実践経験を通じて獲得したスキルを活用して、医療情報技師の仕事を探しましょう。求人情報サイトやキャリアセンターなどを利用することができます。

 

これらのステップを経て、医療情報技師の仕事に就くことができます。医療情報技師は、医療業界と情報技術業界の両方の知識が必要な仕事ですので、両方に関連する勉強をすることが重要です。

 

端的にまとめられてる。分かりやすいなぁ。

 

なかなか的を射た回答ですね。

 

「実践経験:医療情報技師になるには、実際の現場での仕事経験が重要です。」が、この仕事のキーポイントを捉えています。資格を取り、ITスキルを身に着けることもプロセスとして重要ですが、何よりも実戦経験が求められるのが医療情報技師。

 

しかし、「仕事経験を通じてどんなスキルが得られるか」までは書かれていないので、もう少しディテール(詳細)が欲しいですね。どんなスキルが得られるのか分からないと、仕事経験をする意味が伝わりません。

 

▼医療情報技師(≒院内SE)には実戦経験が大切ですが、未経験でもなれるチャンスはあります。そのための面接攻略法を、こちらの記事で紹介しています。

whitefox21.hatenablog.com

 

そこで、さらに突っ込んで聞いてみます。

 

Q. 医療情報技師の仕事経験で得られるスキルは

 

A. 医療情報技師の仕事経験で得られるスキルには以下のようなものがあります。

  1. 医療情報管理
    医療情報技師は、医療現場での情報管理に関する知識・技術を身につけます。患者情報の収集・整理・管理、保管・維持、情報システムの運用・管理などを担当することで、情報管理に関するスキルを習得します。
  2. 医療情報システムの運用・管理
    医療情報技師は、医療現場での情報システムの運用・管理に関する知識・技術を身につけます。情報システムの導入・運用・改善、トラブルシューティング、システムの保守・管理などを担当することで、情報システムに関するスキルを習得します。
  3. プロジェクトマネジメント
    医療情報技師は、プロジェクトの企画・立案・運営に関する知識・技術を身につけます。プロジェクトのスケジュール管理、予算管理、メンバーのマネジメントなどを担当することで、プロジェクトマネジメントに関するスキルを習得します。
  4. データ分析・統計解析
    医療情報技師は、データ分析・統計解析に関する知識・技術を身につけます。医療現場でのデータの収集・分析・評価、統計解析による研究・評価などを担当することで、データ分析・統計解析に関するスキルを習得します。
  5. コミュニケーション能力
    医療情報技師は、医療現場で多くの人と関わるため、コミュニケーション能力を身につけます。医療従事者、患者・家族、情報システム関連業者などとのコミュニケーションを通じて、コミュニケーション能力を磨きます。

以上のようなスキルを医療情報技師の仕事経験から得ることができます。

 

すべて網羅されている気がする。

 

医療情報技師のテキストに書かれていそうな内容です。

 

1~5のどれも当てはまりますね。「プロジェクトマネジメント」「データ分析・統計解析」と聞くと大掛かりな仕事に聞こえますが、病院情報システムの導入や更改ではわれわれが先頭に立ってプロジェクトのスケジュール管理を行いますし、国に提出する資料に必要なデータの集計作業なんかもやります。

 

質問に対して、過不足なく的確に答えを返してきますね。さすがはchatGPT・・・。ではこんな質問はどうでしょうか。

 

▼5番目に掲げられた「コミュニケーション能力」の正体について、私なりの答えを出しました。興味があったら、ぜひ併せて読んでみてくださいね。

 

whitefox21.hatenablog.com

 

 

 

Q. 医療情報技師は意味ない?

A. 医療情報技師は非常に重要な役割を担います。医療情報技師は、医療現場での情報管理やデータ分析などを行い、医療サービスの品質向上と効率性の向上に貢献します。

 

また、患者の健康情報を正確かつ安全に保存・管理することが大切です。医療情報技師は、これらの情報を管理するためのシステムを構築・運用します。

 

医療情報技師は、医療業界と情報技術業界の両方の知識を持った専門家であり、医療現場での課題を解決するために不可欠な存在です。

 

したがって、医療情報技師は意味があると言えます。

 

わかったような、わからないような・・・。

 

ちょっと抽象的な回答になってますね。

 

言っていることはごもっともな内容ですが、残念ながらこれも具体性がありませんね。ふわっとした重要性は理解できても、具体的にどう重要なのかが伝わりません。

 

さらに聞いてみましょう。

 

Q. 医療情報技師の資格を取る意味を具体的に教えて

医療情報技師の資格を取ることには以下のような具体的な意味があります。

  1. 医療現場での専門性の向上
    医療情報技師の資格を取得することで、医療現場での専門性が向上します。医療情報の管理や医療情報システムの運用・管理など、医療情報技師が担う役割はますます重要になっています。資格を取得することで、医療従事者として必要な専門性を身につけ、より高度な医療サービスの提供が可能となります。

  2. 就職やキャリアアップのチャンスが広がる
    医療情報技師の資格を取得することで、就職やキャリアアップのチャンスが広がります。医療情報技師の需要は増え続けており、公的な医療機関や民間企業など、様々な職場で求人が出されています。資格を取得することで、自分の市場価値を高め、就職や転職の際に有利になる可能性があります。

  3. 将来性のある分野であることから、安定した職業を得ることができる
    医療情報技師の資格を取得することで、将来性のある分野であることから、安定した職業を得ることができます。高齢化社会の進展に伴い、医療・介護の分野での需要が増加しています。医療情報技師の仕事は、医療現場で不可欠なものであるため、安定した職業を得ることができます。

  4. 倫理的な観点から、医療従事者としての自己成長ができる
    医療情報技師の資格を取得することで、倫理的な観点から自己成長ができます。医療情報技師は、医療現場で扱う患者の情報を適切に管理することが求められます。資格を取得することで、倫理的な観点からの知識や教育を受け、医療従事者としての自己成長ができます。

 

優等生の回答みたいだな・・・

 

人が書いた文章よりもむしろ分かりやすいかもしれませんね。

 

いずれも、この資格を取る意味として適切です。しかし、「医療現場での専門性が向上」「自分の市場価値を高め」という言葉は分かりやすい表現ではあるものの、具体性に欠けていますね。どんな専門性が身につくのか、どう市場価値が高まるのか、までは説明がありません。おぼろげな答えは分かるけど、「なるほど、だから資格を取る意味があるのか」と納得するには至らない内容。(AIにそこまで要求する必要はありませんがね・・・)

 

▼手前味噌ですが、医療情報技師の資格を持つ意味を現役の私が解説しました。ぜひ一緒にご覧ください。

whitefox21.hatenablog.com

 

恐るべしchatGPT

以上、医療情報技師についてのchatGPTの回答を、医療情報技師の私が添削してみました。

 

総じて、従来のGoogle検索やSiriなどに比べ、より的確で人間が求めている答えを返してくれることが分かりました。従来のAIは、「AIが理解できるような質問のしかた」をこちら側が考えなくてはなりませんでした。またchatGPTは、問い合わせの答えだけでなく、こちら側が聞きたいであろうことも提示してくれました。

 

いっぽうで、膨大なデータベースから知見を集めて要約することには長けていますが、生身の体験を語ることができないので、今回の質問に対する回答は具体性に欠けるものがありました。ふわっとした答えは伝わるけど、リアリティがなく、分かったようで分からない。そんな一面が見えました。

 

chatGPTは日進月歩で進化しており、GoogleやMicrosoftが次々とAIチャットをリリースするなど、急激なAIチャット戦争が始まりました。「調べたいことはググる」のではなく「AIチャットに聞く」のが主流になってきそうな気がします。

 

高いポテンシャルを感じさせられるchatGPT。医療情報技師としては、こうした世の流れをキャッチアップしながら、病院の発展にどう繋げられるかもセットで考えないとな、と思っています。

 

▼院内SEの仕事に興味を持った方。こちらの記事で、この仕事の探し方を紹介しています。ぜひ参考にしてください!

whitefox21.hatenablog.com

 

 

 最後に

当ブログでは、病院に勤務するシステムエンジニアの私が、関係法令の改正やパソコンのトラブルシューティングなどをSE目線から紹介しています。

 

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