以前医療事務の仕事内容について書きました。今回は、記事中に登場した「医師事務作業補助者(ドクタークラーク)」の仕事についてお話します。
医師事務作業補助者(ドクタークラーク)とは
医師に代わって多種多様な書類を作成する仕事です。例えばこんな書類があります。
- 患者が怪我や入院したとき、保険会社に提出する診断書
- 医師が患者を他医療機関へ紹介する際の診療情報提供書
- 介護サービスを利用するために必要な「介護度」を認定してもらうための医師意見書
- 診療報酬を算定するために作成要件とされている文書
1,2はお分かりかと思います。利用したことがなくても想像はつきますよね。
3について。介護サービスを利用するとき介護保険が使えるわけですが、そのためには「どれほど介護や支援を要しているのか」を医師に診断してもらい、「要介護」または「要支援」の区分を認定してもらう必要があるのです。この区分によって、給付される額が変わってきます。
こちらのサイトで詳しく説明されています。
医師意見書とは、このとき医師から発行される書類のことを指します。
4は専門的な話になります。病院は、診療報酬という制度に従って請求書作成やレセプト請求を行いますが、この制度には「こういう書類を作成して患者から同意をもらわなければならない」という決まりがあったりします。書類を作成せずに請求すると返金を求められたりペナルティを受けたりしてしまいますので重要な書類です。
医師事務作業補助者(ドクタークラーク)になるには
通信講座で学ぶ方法や、集団で行われる研修を受講する方法があります。
通信講座であればニチイ学館が有名ですね。
集団の研修には、全日本病院協会が主催するものがあります。
「医師事務作業補助者(ドクタークラーク)」という固有名詞の資格があるわけでなく、所定の研修を受けた人の総称になります。ですので、上記どちらを選んでも同じ「資格を有する人」ということになります。
実を言うと、この資格を持った職員が医師の事務作業を代行すると、病院は所定の要件を満たすことで「医師事務作業補助体制加算」という報酬がもらえます。
そのため資格を保有していることは、多少なりとも採用に有利に働くのではないでしょうか。