病院の情シスで働く医療情報技師の奮闘記

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システムエンジニアなら転職可! 病院のヘルプデスクとは。将来性も紹介

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私は現役で病院内SE(システムエンジニア)として勤務しており、病院で稼働しているさまざまなシステムの管理やヘルプデスクの仕事をしています。

 

ヘルプデスクとは、読んで字のごとく「助けが求められたときに駆けつけられるよう待機しているスタッフ」のこと。システムエンジニアが転職を考えるときに、必ずと言っていいほど話題にのぼる「社内SE」も、このヘルプデスクの仕事を担うことが多いですね。

 

転職を考えているシステムエンジニアの皆さんには、ぜひこの病院のヘルプデスクの仕事にも興味を持っていただきたいと思います。しかしながら病院で働くシステムエンジニアは社内SEに比べ認知度が低く、あまり実態が知られていないのが実情です。ネットの検索で出てくる情報も少ないでしょう。

 

そこでこの記事では、病院のヘルプデスクの仕事内容と将来性について、現職の私がお話します。

 

ちなみに、病院という職場について興味があるならこちらの記事もぜひご覧ください。

 

whitefox21.hatenablog.com

 

 

問い合わせを受けて問題解決する仕事

病院内SEの管理領域は、主に電子カルテシステム(院内のほぼすべての部署で稼働)、部門システム(特定の部署でのみ稼働)が動作するPCおよびインターネット端末のソフトウェア・ハードウェア全般になります。システムに付随するプリンタやラベル出力プリンタ、磁気カードプリンタといった端末も場合によっては見ます。問題発生時の初期対応をする役割を担います。

 

病院の職員から電話や来訪などで問い合わせを受け、現場に向かい障害を切り分けます。自力で直せる場合はその場で復旧させ、そうでない場合はベンダに連絡し修理を手配します。

 

請求書を印刷するプリンタや検査ラベル用プリンタなどは待ったが効きませんので、院内SEの腕の見せ所です。機械系のトラブルはベンダーの保守作業の範疇ですが、それまでは応急処置をしたり予備機と交換したりしてその場を凌ぐことになります。


予備機と交換すると一口に言っても単にケーブルを繋ぎ直すだけではなく、IPアドレスの設定や帳票の余白設定など細かい部分のセッティングも必要になるので、短い時間でサッと対処できるかどうかが問われてきます。

基本は浅く・広く

ソフト・ハード全般に対応するとはいえ、高度な専門知識は必ずしも必要ではありません。それよりも「業務を中断させないための体制作り」を日頃から整え、院内外の関係部署とスピーディーに連携し必要な措置を取っていくことが求められます。

 

パソコンの動作が鈍くなったという相談を受け、蓋を開けてCPUクーラーを掃除したり、メモリを増設したりといった作業もします。起動しなくなったパソコンのHDDからデータを取り出すこともあります。

PCのことなら何でも相談される

「システムから吐き出したCSVを加工してこんな帳票を作ってほしい」「待合室でビデオを放映したいから動画編集してほしい」といった仕事が舞い込むこともあります。VBAを使って能率向上を提案することもあります。


PC自体が趣味な方にとっては面白いのですが、そうでないと「こんな仕事もしなくちゃいけないの?」と思うかもしれません。それだけ、バリエーション豊富な業務です。

 

私は学生時代に自宅サーバを立てたり、PCを自作したりしていたので、その経験が活きていると感じますね。

 

院内SEの仕事に興味のある方は、下記記事もご覧になってみてください。

whitefox21.hatenablog.com

 

 

ところで、「ヘルプデスクってほとんど座っているだけで楽なんでしょ?」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし気になるのはその将来性ですよね。仮に楽な仕事だとして、そんな仕事がこの先続くのでしょうか? 

 

「ヘルプデスクだけ」の業務は先細りする

ヘルプデスクの仕事は、基本的には待機し、問題があったときに駆け付ける役割です。つまり問題が起きなければ何もしなくてもいい、と捉えられる所以がここにあるわけですね。確かにこれは間違いではないのですが、私の体感として現場に呼ばれる頻度が年々減っており、これからニーズは先細りすると思っています。

 

理由は2つあります。

 

1つは、一昔前と違ってソフトウェア製品の安定度が増しており、そもそも問題が起きにくくなっているため。10年前なら、当院の電子カルテもそうでしたがオーダー情報が医事システムに飛ばない、すぐに動作が重くなる、といった不具合が起きていましたが、最近のシステムは洗練され、深刻なトラブルは滅多に起きません。PCのハードウェア性能も成熟したと言えるほど高性能化しており、新品のPCならばほとんどフリーズもせず安定稼働してくれます。

 

2つ目は、利用者のPCリテラシーが向上しているためです。中高年~シニア層ならPCの操作指導に時間を要すことがほとんど(失礼!)ですが、若年層はPCに慣れているので細かい説明をしなくても伝わることが多いです。PCを分解して中身を見たり、プリンタを開けて故障箇所を特定したりといったことまではしなくても、マスタの設定や電子カルテの操作方法などは飲み込みが早く、指導に手間取ることが少ないです。

 

となると、ヘルプデスクの出番は必然的に減ってきます。とは言ってもトラブルがゼロになることはありませんので、役割がなくなることはないでしょうが、専門職として求められる場面は少なくなるでしょう。

 

ヘルプデスクはあくまで業務の一つ。病院内SEを目指そう

ここまで読んだ方は、「ヘルプデスクに将来性がないなら転職など考えられるわけがないだろう」と思ったことでしょう。確かに、そのとおりです。

 

ヘルプデスクはあくまで病院内SEの業務の一つですから、ヘルプデスクを目指すのではなく病院内SEを目指しましょう

 

病院内SEの仕事については下記記事で詳しく書きましたので、ぜひご覧ください。

whitefox21.hatenablog.com

  

自分のために、多彩なスキルを身に着けよう

私はヘルプデスクやシステム管理といった定型業務のほかに、院内で放映するビデオの制作や医業売上の統計資料作成、ホームページの管理といった毛色の異なる仕事も行っています。

急遽医事課で欠員が出たときにレセプト点検のヘルプに入ったこともありますし、医師事務作業補助者として代行業務を行ったこともあります。そうしたスキルがありイザというときにはピンチヒッターになるからこそ、病院内SEをやらせてもらえているのかもしれません。

 

病院勤務の経験がない方には、「レセプト点検」「医師事務作業補助者」もよく分からない用語ですね。これについては、こちらの記事で紹介しています。

 

whitefox21.hatenablog.com

 

whitefox21.hatenablog.com

 

たとえば普段は総務や医療事務をしている職員が、ヘルプデスク的役割を担える場合は職場で重宝される存在になり得ます。私も当初は医療事務として働きながら、PCでトラブルが起きた際には呼ばれて対応していました。どこも人手不足な今、与えられた仕事以外でもスキルを発揮できる人、それを嫌がらずに引き受けてくれる人は組織にとって貴重な存在です。

  

このような言い方をすると「労働を搾取されるだけだ」と思われる方もいるかもしれませんが、今は新入社員に対しても残業時間を気にして業務の采配をしなければならない時代。管理職としても限られた人材でどのように業務を回すか悩んでいるので、そこをカバーできる人材がレアであることは自明の理といえます。

 

もちろん、法外な残業を繰り返すことや健康を害してまでやることはありませんが、「レアな存在である必要はなく、自分ができる仕事を無理のない範囲でやればいい」という姿勢でいては将来、自分と同じかそれ以上の能力を持った人が現れたときに淘汰されてしまいます。結局困るのは自分、ということになってしまいます。

 

ではどうやってスキルを身に着ければいいのか? という点については、もちろん決まった型があるはずはありません。個人的には、好奇心と遊び心が大事だと思っていますので、興味があれば下記記事を参考にしてみてください。

 

whitefox21.hatenablog.com

 

病院内SE(システムエンジニア)の仕事内容について下記記事で紹介しましたので、併せてご覧ください。

 

whitefox21.hatenablog.com

 

whitefox21.hatenablog.com

 

 

 最後に

当ブログでは、病院に勤務するシステムエンジニアの私が、関係法令の改正やパソコンのトラブルシューティングなどをSE目線から紹介しています。

 

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