39県で緊急事態宣言が解除される見通しとなり、新型コロナウイルスの感染拡大が減速しつつあるという風潮が出てきましたが、北海道は依然「特定警戒地域」に含まれており、北海道の片田舎と言えども緊張状態が続いています。
企業ではオンライン会議やテレワークに移行しているところですが、病院はそうとも行かない中、せめて会議だけでもオンラインにできないか、と検討されているところもあるのではないでしょうか。
病院でオンライン会議をするならどのアプリケーションがよいのでしょうか。結論から言うと、私はCisco社のWebexかZoomを推しています。以下、説明していきます。
Cisco Webex
言わずとしれたCiscoが提供するオンライン会議システムです。参加者が100名以内なら無料で使用でき、用途に応じ課金することで高機能版へグレードアップできます。
ネットワーク機器メーカーとして確固たる地位を築いているCisco製で、コロナ禍以前から企業で使われてきた歴史あるソフトでもあります。
Windows、Mac、スマホ、タブレットそれぞれにアプリが提供されており、事前にインストールと初期設定が必要です。会議参加時にはユーザーIDとパスワードによるログインも必要で、Zoomに比べ手順がやや多い印象ですね。もちろん通信内容は暗号化されます。手間が増える分、盗聴や不正侵入といったリスクを遠ざけることができます。
ビデオ通話だけでなくテキストメッセージでチャットしたり、操作中の画面を共有したりといったサポート機能も搭載。ソフトの作りもスッキリ整理されており、さほど迷わずに操作できると思います。
いくつかの医療情報学会がWeb開催へ変更となるなか、現時点で2つの学会がこのCisco Webexの採用を決めています。便利さ、手軽さより堅牢性を重視した結果と言えるでしょう。
Zoom
もはやSEには説明不要ですね。コロナ禍で一気に注目を集め、世界中を風靡しているビデオ配信アプリです。ビデオ通話と言えば一昔前ならSkypeが有名でしたが、スマホの普及に伴いPCを使った通話が下火となり、LINEやスマホの電話機能でテレビ電話できることもあって最近ではあまり聞かなくなりましたよね。
そんななかで、セミナーなど1対多のビデオ通話をWeb上で手軽に実現できることで注目されたのがZoomです。ウェビナー(ウェブとセミナーをかけ合わせた造語)という用語が聞かれるようになったのもここ最近で、手軽にオンラインで集まれるとあって、コロナ禍以前から使用していたIT企業も多いと聞きます。
私も実際に使ってみましたが、ホストから伝えられた電話番号のようなものを入力するだけで会議に参加でき、非常にシンプルな操作性で使いやすかったです。パソコンが苦手な人にとっては、Cisco WebexのようにユーザーIDとパスワードを入れて初期設定して・・・という手間が大きなハードルになりますが、番号を入れるだけなら簡単です。スマホならアプリを公式ストアからインストールするだけで足り、初期設定も不要なので手軽さではピカイチと言えます。
ただ唯一気がかりなのは、やはりZoom爆弾の件でしょう。パスワード保護されていない会議室に部外者が乱入し、場を荒らすという事件が起きました。現在では修正パッチがリリースされ問題は解決されているのですが、一抹の不安は残ります。
Zoom爆弾については下記記事でも触れましたので、ご参考ください。
ただし秘匿情報を扱うわけでなければ、セキュリティに神経質になることはありません。情報漏えいが病院の存続に関わる深刻な事態をもたらすのであれば別ですが、そうでなければ参加者にとっての便利さ・手軽さを重視する手もあります。
また某通信インフラ業者の話だと、Zoomは通信量が他アプリに比べ低く、そこそこの通信回線でも十分な通話品質が得られるとのことでした。利用者が圧倒的に多いのもこれが理由かもしれません。新興アプリの強みと言えますね。
そこで実際どうなのか計測してみました。Zoomで自分含め4拠点でWeb会議してみたところ、30分で約300MBの消費という結果になりました。単純計算で10回行っても3GBの消費ですから、これは少ない通信量と評価できます。個人スマホの通信契約は今だとおおよそ月5GBはあるでしょうから、自宅から参加する場合でも契約の範囲内で出来てしまうのではないでしょうか。
上記2つ以外にも、Microsoft製のTeams、Google製のハングアウト、ビジネス向けSkypeなど大手アプリのほか、V-CUBEミーティング、LiveOnなど専業メーカーのものもあります。多くのアプリの中から選ぶのは大変ですよね。まずは上記アプリを無料の範囲内でテストしてみて、使いやすさや通話品質を確かめることをオススメします。
やる前は意気揚々でも、実際に試してみると「アプリの操作に戸惑ったり、通話が途切れたりする」「声が聞こえているか心配で会議を進行しづらい」といった問題が見えてくることもあります。スムーズに会議が進行できないと結局は対面で行おう、となってしまいかねないので、院内で実際にテストし、検証したうえで使うようにしましょう。
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