こんにちは。当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
管理人の白狐(しろぎつね)です。
システムエンジニアの仕事に満足していますか?
「毎晩遅くまで働くシステムエンジニアの仕事に疲れた」「地元にUターンして就職したい」と思ったことはないでしょうか。
私がそんな一人でした。やむを得ず地元に帰る必要ができたのですが、北海道の田舎にIT企業などないに等しく、自分が応募できる求人は一般企業の事務職くらいしかありません。これまで培ったITスキルは大して活かせず、地元に馴染んでいくしかないのかな・・・と思っていました。
そんな中で知ったのが、病院内のシステムエンジニアという仕事です。
今、Uターン就職が見直されています。しかし実際問題、地方には東京ほど就職先のバリエーションは少なく、業種が限られてしまうのが現実です。
しかしシステムエンジニアが転職するなら、話題にのぼりやすい社内SEだけでなく病院の情報システム部門(情シス)に勤めるという選択肢があるということをぜひ知ってほしいと思います。
そこで、現役の医療情報技師として病院の情シスに勤める私から見た、転職のメリット・デメリットをご紹介します。あくまで個人的見解であることと、わかりやすくするために多少盛った表現にしてありますので、ご理解くださいね。
目次
メリット
残業がほとんどない
基本トラブルがなければ残業はしません。電子カルテの入れ替えなど大きなシステム変更を伴うイベントがあればこの限りではありませんが、大抵の仕事は定時内で終えられます。
私の場合だと毎日18時には帰宅していますし、家族と食事したり趣味の時間に当てたりする時間が持てています。アフター5の時間が持てることで、こんなにも気持ちにゆとりが持てるんだなと実感します。
休日が暦通り
休日診療していないところでは暦通りの休みが得られます。情シスは他の事務部門と同じような勤務体系になることが多いのではないでしょうか。
もちろん、システムトラブルが起きれば休日でも出勤して復旧させなければなりません。しかしそんな頻繁に起こるものではないので(もし頻回ならシステムに問題ありですね)、イレギュラーなケースです。
職場が安定している・不況に強い
一生安泰とまでは言えませんが、栄枯盛衰の激しいIT業界に比べ将来の心配が少ない業界です。
これからますます病院でもオンライン診療やAIなどを活用するため、あらゆる場所にITが組み込まれていくでしょうから、スペシャリストとしての管理者は必ず必要になります。
2020年の初めから流行した新型コロナウイルスの感染拡大にあっては、知事から外出自粛が呼び掛けられ、様々なイベントが中止になり日用品の買いだめが横行。経済活動への打撃は計り知れず、株価も大きく値下がりしてきました。2018年の道内全域停電(ブラックアウト)のときとは違っていつ収束するかも見えてこないので、いつまで自粛ムードが続くか先行き不透明な状態。さらなる不景気モードに突入という様相になりました。
そんな中でも病院は直接不景気と関係ありません。診療報酬の改定や病院再編などに左右されることはありますが、患者数が減ったり業績が極端に落ち込んだりはしないので、公的存在意義のある病院はやはり不況に強いなと実感します。逆に景気が良いからといって給料が上がることもないので寂しいところですが、浮き沈みが少なく安定していること、倒産のリスクが少ないことはサラリーマンとして安心できますね。
病気や怪我のときすぐに診てもらえる
病院に勤めているので、当たり前ですが病気や怪我のときはすぐに受診できます。周りの職員も体調不良で休むことへの理解が比較的あるのではないでしょうか。
またいろんな患者さんを目の当たりにしていると、「人の振り見て我が振り直せ」で普段の健康意識も自然と高まります。風邪をもらわないように、食生活を見直したり日頃から運動したりして丈夫な体を作ろうという気にもなります。残業があまりないので、その時間も作れます。
IT企業時代、私は健康について考えることはあまりなく、実際に自分が罹患(病気にかかること)するまでは他人事でした。病院には様々な疾患や怪我をされた方が運び込まれますので、そうした日常を見ていると自分の気持ちも引き締まってくるものです。これは自分にとって大きな内面の変化でした。
異性に恵まれる
語弊のある言い方かもしれませんが、周りの話を聞いていると同業同士の結婚(事務と看護師など)が一定数いて、異性に恵まれている環境なのかなと思います。特に男性からすると、女性の方が多い業種のため有利に戦える?かもしれません。保証は致しませんので、あしからず・・・。
安定した仕事と思われやすい
情シスを知らない人から自分の仕事について聞かれたとき、とりあえず私は「病院で働いています」と答えるようにしています。パソコンに詳しくない人からすると、仕事内容を説明してもピンとこない人がほとんどなので、勤め先を言うのが手っ取り早く伝えられると思うからです。
すると「安定した仕事に就いているね」と言われることが多く、転職したての頃は「そういう目で見られるんだな」と思ったものです。何だかんだいっても、「何をしているか」よりも「どこに勤めているか」が見られるものですよね。結婚するときなどに活きてくるのではないでしょうか。
IT企業から転職した同業者に言わせると、やはり1、2のメリットが大きいみたいですね。
デメリット
給料が安い
転職前の職場から比べると給料が下がることが多いようです。私は都会のIT企業から地方の病院へと転職したので、地域の差も含んではいますが激減しました。この話については別記事で詳説しています。
給料体系が事務と同程度になることが多いですので、興味のある方は下記記事もご覧ください。
求人が少ない
働く以前の話になってしまいますが、実は出ている求人が少ないです。病院の求人は医療職がほとんどで、医療情報技師という職業自体の認知度もまだまだ低く、専門職として雇われるのは少数派でしょう。
ですが私のように、医療事務の下積みから格上げされるパターンもあります。別記事に詳細を書いてありますので、ぜひこちらも読んでみてください。
ゴリゴリのITスキルは必ずしも必要とされない
どういうことかと言うと、新しいプログラミング言語を習得したり、院内システムを設計したりという場面はあまりありません。ITスキルを高めることよりも、システムから集めた統計データをまとめて病院経営の資料にしたり、患者や現場職員にとって有益なシステムを導入するコンサル的役割を担ったりすることがメインです。ITスキルよりも医学方面の知識が求められることもありますので、ITスキルをゴリゴリ活かした職業に就きたい、という方にはオススメできません。
病気の危険に晒される
診療科に内科のある病院では、風邪引きの患者が多く訪れます。毎年流行するインフルエンザ、ノロウイルスの患者はもちろんのこと、新型コロナウイルスの罹患(りかん:病気にかかること)者も患者の中にはいるかもしれません。病院では公衆衛生や感染制御の有資格者が患者の動線を区分けするなど対応を取るわけですが、それでも懸念は拭い切れません。
未知のウイルス感染が広がったり、長期間学校を休校したりといった事態はそうそう起きることではありませんので、過度に不安になることはないでしょう。しかし、こんなリスクが付きものだということも理解しておく必要があります。
いかがでしたか? 病院内システムエンジニアのメリット・デメリットを挙げてみました。
病院内SEという職業はまだまだ低い認知度にあります。システムエンジニアの転職といえば必ずと言っていいほど社内SEが話題になりますが、病院内SEにもぜひ注目して仕事探ししてみてはいかがでしょうか。
この記事を読んで「病院内SEに就いてみたい」「どうやって職探しをしたらいいのか」と思った方は、ぜひ下記記事を参考に求人を探してみてくださいね。
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