こんにちは。当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
管理人の白狐(しろぎつね)です。
すでに騒がれている通り、去年の暮れから世界的な半導体不足が露わになりました。具体的には自動車やPlaystation5、パソコンのCPUなどの生産に遅れが生じており、供給が需要に追いつかない事態となっています。
マイナンバーカードを用いた保険確認システム(オンライン資格確認システム)に用いる端末の供給にも支障が出ているようですので、本記事ではこの半導体不足による病院への影響について考えます。
なぜ半導体が不足しているのか
世界的に半導体が不足している理由として一般的には、コロナ禍によりテレワークなどで電子機器の需要が急拡大し、需給バランスが崩れたためと言われています。
2020年初頭に起きたマスク不足のときもそうでしたが、工場の生産ラインは急に増やすことができません。メーカーは長期の需給バランスを見越して設備投資をしますから、一時的に足りていない状況に合わせて生産を調整することは難しいわけです。
全世界を巻き込んだコロナ禍のなかで、どこの国民もインドアの娯楽に興じたでしょうから、その反動として今の半導体不足があると考えられます。
安定供給の見通しは
ではいったい、いつ頃に安定供給されるのでしょうか。
CPUメーカーのAMD社は、2021年前半まで半導体不足が続くだろうという見通しを1月に発表しています。
PS5やパソコン用CPUは2021年前半まで供給不足の見通し。AMD CEOが見解表明 - PC Watch
コロナ禍についてはワクチン接種が始まったことで収束の兆しが見えたものの、変異株の驚異もあり、もうしばらくは自粛ムードが続きそうです。とはいえ、この1年でオンライン会議やテレワークに関しては導入を決めたところとそうでないところがはっきり分かれ、特需は一段落したでしょうから、徐々に供給が戻ってくると思われます。AMD社の言うように、安定供給されるのは夏頃になるのではないでしょうか。
オンライン資格確認への影響は
パソコンの供給不足は、実は病院にも関係があります。
令和3年(2021年)3月から始まったオンライン資格確認システムを導入するには、専用のパソコン(Windows10 LTSCモデル)を用意する必要があります。このパソコンの生産にも支障が出ているようで、聞くところによると在庫僅少という話です。おそらく発注をかけたところから早いもの勝ちで在庫の奪い合いになる、と予想されます。
オンライン資格確認はすぐに始められるものではなく、インターネット回線の敷設・工事やカードリーダーの調達(厚労省からの現物給付ですがこちらも発送が遅れているとのこと)、電子カルテシステムの改修など一式すべてが揃わないと構築できません。早めに始めたい場合は、早急に動く必要があります。
▼オンライン資格確認をするには何をしたらいいの?という方は、こちらの記事にまとめましたのでご覧ください。
Windows10 LTSC以外のパソコンも使えるが自己責任
Windows10 LTSC(Long Term Servicing Channel)とは、特定用途向けのWindows10のバージョンです。Windows10 Proなどのコンシューマ向けバージョンとは違い、長期にわたって同一環境で使用したい場合に採用される特殊なものです。
普通、Windowsでは機能更新を目的としたWindows Updateが定期的に行われますが、これにより内部のプログラムが影響を受けることがあります。まれに、アップデート後に不具合が起きたり起動しなくなったりすることがありますね。それを避けるために、頻回なアップデートを省略し安定稼働させることを目的としています。
厚労省のホームページでは、一応Windows10 Proも使用可能と説明がありますが、あまりイレギュラーなことをやると万一障害が起きたときに犯人にされたりして、自分の首を絞める結果になりかねません。よほど切羽詰まった状況でなければ、Windows10 LTSCを選ぶことをお勧めします。
オンライン資格確認の導入事例サイトがオープン
先日、オンライン資格確認の導入事例をまとめたサイトがオープンしました。
cases.iryohokenjyoho-portalsite.jp
本原稿執筆時点では病院と歯科診療所それぞれ1例ずつ掲載されています。導入に至った経緯や成果などがインタビュー形式で紹介されており、今後も掲載予定がありますので導入を考えている病院は参考にしてみてはいかがでしょうか。
以上、世界的な半導体不足が病院に与える影響について考えてみました。
顔認証付きカードリーダーの申込状況は全国的に見てもまだ半数くらいのようですが、脱はんこと合わせてこれから国がデジタル化を進めていくことは疑いの余地がありません。他業界に比べ遅れていると言われる医療業界も、否が応でもICT化を考えていかなければならない時期に来ています。補助金制度もうまく使いながら医療サービス・患者サービス向上に取り組みたいものです。
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