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私はパソコンを仕入れたりメンテナンスしたりする仕事柄、同僚から
「パソコンを買いたいんだけど、どのメーカーがいいの?」
「買ったばかりなのにすぐ壊れた」
といった相談をよく受けます。
「このメーカーは安いけど壊れやすいよ」とひと括りにできれば分かりやすいのですが、そう簡単に断言できないのがパソコン選びの難しいところ。
例えば車だと安全性能や顧客満足度をテストする第三者機関が存在し、これを指標に選ぶことができますね。パソコンではそのような広く知られた機関がないため、人によって評価がバラバラです。
また精密機械であるため、経年劣化による故障だけでなく使い方によって寿命が縮まっているケースもあります。
そのためパソコンを長く使うには、壊れにくいメーカーを知るよりも「なぜ、どこが壊れたのか」を知ることが大切になります。
そこで本記事では、「パソコンが壊れる」とはどういう状態を示すのかをあらためて説明したうえで、壊れにくいパソコンを選ぶための「おすすめの見分け方」をご紹介します。
記事の終盤で私がおすすめするメーカーも紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!
- パソコンが壊れる原因の多くは「ハードディスク」か「SSD」
- 壊れにくいハードディスク・SSDの選び方
- 故障には、ソフトウェア要因とハードウェア要因があることを知ろう
- おすすめのパソコンメーカーは、LenovoまたはASUS
- 【おまけ】ハードディスクの簡単なバックアップ方法
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パソコンが壊れる原因の多くは「ハードディスク」か「SSD」
「パソコンが壊れた」と聞いて思い浮かべるのは、次のような現象があるでしょう。
- 電源を投入しても画面に何も映らない
- 起動中に変な画面が表示されて、その先に進まない
- 起動はするが、異常に重たく使い物にならない
- 液晶ディスプレイが一部欠けている、発色がおかしい
通常使用に支障をきたす、という状態を指しますよね。動作が遅いだけであれば、我慢して使い続けることもできるので「壊れた」とは言いません。
このうち、1~3はほとんどがハードディスクやSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)に問題がある場合が多いのです。
ハードディスクは複数の磁気ディスクで構成されており、ディスクを「回転」させて磁気ヘッドを当てることでデータを読み取る方式であり、駆動部が存在します。駆動するぶん、部品が損耗し経年劣化しやすい傾向にあります。
▼ハードディスクのイメージ図。針のような先端部分が「磁気ヘッド」です。
SSDはメモリチップで構成されており、半導体を通じてデータ転送を行うことから、ハードディスクに比べて高速・軽量という特徴があります。SSDによる高速化の恩恵は凄まじく、古いパソコンでもハードディスクをSSDに交換するだけで動作がキビキビします。このため、最近のパソコンではほとんどSSDが搭載されています。
しかしSSDにはデータの書き込み回数に制限があり(とは言っても数万回という単位ですが)、長期保存には向かないというデメリットがあります。パソコンを激しく使えば使うほど書き込み回数が蓄積し、SSDの寿命が縮まっていきます。
▼SSDの外観(2.5インチタイプ)
ハードディスクやSSDのほかにも、パソコンの部品にはCPU、メモリ、マザーボード(すべての部品を接続する土台となるもの)など多々ありますが、私の経験上、それほど経年劣化しないことがほとんどです。
例えば液晶ディスプレイも劣化しますが、物理的な衝撃を与えない限りはそうそう壊れる部品ではないため、あまりに早い場合は初期不良としてメーカー補償を受けるか、寿命と捉えるのが一般的。
このことから、壊れにくいパソコンを選ぶには、壊れにくいハードディスク・SSDを選ぶのがおすすめと言えます。
壊れにくいハードディスク・SSDの選び方
パソコンのメーカーは、部品のメーカー「ではない」
実はどのメーカー製でも、パソコン内部の部品は別メーカーのものであることがほとんど。特にハードディスクとSSDは大手による寡占状態となっています。例えば富士通のノートパソコンでも、ハードディスクは別メーカー製なのです。
しかしカタログを見ても、実はハードディスクのメーカーを調べることはできません。明らかにしていないことがほとんどです。
下記は富士通のノートパソコンの例です。赤枠部がハードディスク(HDD)に当たりますが、容量しか記載されていません。
「富士通のノートパソコンなんだから、富士通製なんでしょ?」と思うでしょうが、実は違うのです。
ではどうすればいいのかというと、実機を触ることで確認することができます。確認のしかたについては、下記記事でご紹介していますのでこちらからご確認ください。
ハードディスクは東芝製か日立製を選ぼう
壊れにくいハードディスクのメーカーについては、データセンターで使われたハードディスクの故障率をまとめた資料が海外のWebサイトにて公開されており、有益な指標となっていますので紹介します。
22万台のHDDとSSDを監視するBackBlazeの「メーカー・モデル別統計データ2022年Q2版」が公開 - GIGAZINE
結論を言うと、HGST(日立グローバルストレージテクノロジーズ)か東芝の日本製がおすすめ。上記記事では、事業用として過酷な環境で使われても、故障せず稼働し続けたという実績が載っています。
HGSTって海外のメーカーみたいな名前だね。
もともと日立傘下のHDD製造会社でしたが、海外のメーカーに吸収されました。
▼HGST製、東芝製のHDDは楽天市場などで単品で購入することも出来ますが、一般向けにはあまり売られていないため品数は多くありません。知識があれば、お手持ちのパソコンのHDDを交換することも可能です。
SSDはCrucial製かKIOXIA製を選ぼう
では次に、壊れにくいSSDを見ていきます。
SSDの故障率をまとめた統計データ「メーカー・モデル別統計データ2022年中間レビューSSD版」をBackblazeが公開 - GIGAZINE
上記サイトでは事業用に使われているSSDの故障率を見ているため、一般消費者が入手しづらい製品が評価されています。データが少ないのですが、まずはこの記事で紹介されているCrucial(クルーシャル)製がおすすめです。
CrucialはSSDの登場初期から製品を開発していた、アメリカの老舗半導体メーカー。比較的安価ながら確かな品質で定評があり、今もトップSSDメーカーとして不動の地位を築いています。SSDの発展を牽引してきたと言っても過言ではなく、聞き慣れないメーカーでしょうが安心して大丈夫です。
私のようなパソコンオタクにとって、SSDといえばCrucial!というイメージですね。
また、上記サイトには載っていませんが国内メーカーのKIOXIA(キオクシア)も個人的におすすめです。こちらも聞き慣れないでしょうが、旧・東芝メモリ(株)の子会社である国産半導体メーカーです。
東芝は質の高いハードディスクで評価を得ており、上で紹介した海外サイトの評価においても抜群の壊れにくさを誇っています。そのモノづくり精神がSSDの開発にも受け継がれ、社名を変えて世に製品を送り出しています。
私もKIOXIAのSSDを使っています! やっぱり日本製は安心して使えますよ。
世界の半導体事業はアメリカ・中国が幅を利かせているので、やはり国産メーカーにも頑張ってほしいですよね。ハードディスクのように、海外でも高い評価を得られる質の高いモノづくりの技術は、今も日本企業に健在です。
東芝は会社としては苦境にあるので、国産メーカーを応援する意味でも、個人的にはKIOXIAのSSDが広まってほしいなと切に願っています。
KIOXIAのSSDを買って、日本企業を応援しよう!!(宣伝)
故障には、ソフトウェア要因とハードウェア要因があることを知ろう
ここまで、パソコンが壊れる原因の多くがハードディスク・SSDにあること、そのため頑丈なものを選ぶことが大事である、ということを説明してきました。
しかし、もちろんハードディスク以外にもパソコンが壊れる原因はあります。それには、大きく「ソフトウェア要因」と「ハードウェア要因」とに分けることができます。
これらについて理解を深めておけば、余計な出費をせずに済んだり、より適切な対処を選んだりすることができるようになりますから、ぜひ覚えておきましょう。
ソフトウェア要因の対策
ソフトウェア要因には、最近インストールしたソフトウェアがおかしな動きをしている、Windows Update中など電源を落としてはいけない状態でシャットダウンした、などがあります。
これらはユーザーの使い方に問題があったために起きたということですから、何がいけなかったのかを振り返っておくことが大切です。でないと、同じ過ちを繰り返して壊してしまう可能性があります。
車の免許を取るのとは違い、パソコンの正しい使い方を誰かが教えてくれるわけではありませんよね。ですから原因を突き止めるのは難しいかもしれませんが、詳しい知り合いなどに頼って調べてもらう、あるいは教えてもらう、などしておきましょう。そうすれば、あとあと余計な出費をせずに済みます。
▼手前味噌ですが、こちらの記事でパソコンが壊れにくくなるおすすめの使い方を紹介しています。時間のある時に一読してもらえば、パソコンと長く付き合うためのちょっとした知識になるはずですよ!
このブログではパソコンに関する豆知識やトラブル解決方法を定期的に紹介していますので、興味があればお気に入りに入れて購読してみてくださいね!(宣伝)
ハードウェア要因の対策
ハードウェア要因には、例えばハードディスクのセクタ(ハードディスクを構成するデータの保存領域)の不良、データを読み取る磁気ヘッダの故障、などがあります。
これらの場合は物理的な損傷ですので、保証期間を過ぎていたら新品と交換するしかありません。知識があれば、ハードディスクだけを買ってきて中身のデータを移行し、取り付けるという対処が可能ですが、ない場合には買い替えになります。
壊れた原因がソフトウェアとハードウェアのどちらによるものかを判断するのは難しいので、分からなければ詳しい知り合いやパソコンショップに頼りましょう。
▼最近はパソコンの価格も上昇してきています。中古ショップでは、品質の良いものを安価に購入できるのでおすすめです。私自身も、中古で十分間に合うことが多いため利用します。購入を考えている方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
▼パソコンが壊れたとき、一番困るのがデータの消失。ハードディスクが物理的に故障した場合、専用の復元ソフトを使うことで救える場合があります。確実性は保証できませんが、最後の頼みの綱として利用する価値はあります。1本持っておくと、万が一の時に役立ちますよ!
▼こちらの製品は、パソコンから取り出したハードディスクを他のパソコンにUSBで接続するための装置。復元ソフトと一緒に、セットで持っておきたい1台です。
ハードディスク以外のハードウェア要因もある
パソコンが壊れる原因のほとんどはハードディスク・SSDと述べましたが、もちろんほかの部品が問題を起こすこともあります。例えば「ビービービー」という機械音が鳴った場合は、マザーボードやメモリの不具合が考えられます。CPUのファンに埃が溜まることで正常な冷却ができず、パソコン内部の温度が上昇して熱暴走を起こすこともあります。
個別の故障例を挙げればキリがありません。ですので、「壊れにくいパソコンを選びたい」と思ったら、まずは「壊れにくいハードディスク・SSDを選ぶ」ことを指針として頂ければ、長くパソコンと付き合えると思います。
おすすめのパソコンメーカーは、LenovoまたはASUS
では最後に、私が主観的に選ぶ、おすすめのパソコンメーカーを紹介して終わりにします。ここではハードディスクのメーカーを実機で確認できる、店舗販売型のメーカーに限定します。
(デルやヒューレット・パッカードなど直販型メーカーでは基本的に店頭展示がなく、確認できません)
▼こちらの記事では、今セール中のキャンペーンを一挙紹介しています。併せてご覧ください!
Lenovo(レノボ)
レノボは、旧IBM社を買収した大手パソコンメーカー。歴史ある堅牢な老舗メーカーのDNAを受け継ぎながらも、他メーカーに比べ同じ性能でも安価で販売しています。
▼現在、年度末決算セール中! オトクに買うなら今がチャンス!(画像をクリックすると通販サイトへジャンプします。)
▼泣く子も黙る? IBMのロゴ。一度は見たことあるのではないでしょうか。
IBMの主力製品だったThinkPadシリーズは、買収されてからもLenovoにおけるフラッグシップモデル(象徴的商品)としてラインナップされており、IBM時代に定評のあった堅牢性・高性能を今も売りにしています。
国内メーカーほどの知名度はないにしても、ThinkPadシリーズのタフさは今も変わらない魅力です。
「頑丈なパソコンがほしい」という方に、特におすすめできますよ。
中古ThinkPad専門店・Be-Stock
ThinkPadはモノが良い分、他の格安メーカーに比べるとやや割高。
そんな方には、中古のThinkPadだけを取り揃えたThinkPad専門店 Be-Stock がおすすめです。
ThinkPad専門店ならではの豊富な品ぞろえが魅力。中古だからお手頃な値段で購入でき、スペックや価格帯から絞り込み検索もできます。お目当ての1台が見つかるかもしれませんよ。
ThinkPadが落下を検知するとハードディスクの回転を自動的に止めてダメージを最小限に抑える、といった機構が搭載されているのを知ったときは「さすがIBMだ」と思ったものです。デザインもいかつくて、まさしく仕事用のパソコンといった感じでした。
ThinkPad以外のラインナップは安価な価格で販売されており、余計なプリインストールアプリもないので快適に使えるはずです。
▼Be-Stockでは春の新生活応援キャンペーンを開催中! このチャンスにThinkPadはいかが?(画像をクリックすると通販サイトへジャンプします。)
ASUS(エイスース)
パソコンに詳しくない方なら聞いたことのない名前だと思いますが、昔からマザーボードのメーカーとして定評のある台湾のメーカーです。なんと言っても低価格が魅力で、同じ性能でも日本のメーカーと比べると3割ほど安価に購入できます。不必要なプリインストールアプリ(同梱されるソフト)もなく、快適に使えます。
私のようなパソコンおたくなら気にしないのですが、知名度の低さが難点。おすすめしても「やはり日本製が良い」となってしまう方も多いですね。日本のメーカー製でも内部の部品はASUS製だったりするのですが。
ASUSのモデルが機械的な印象を受けるデザインなのに対して、富士通や東芝のモデルは家電的なオシャレ感があり、人気のようです。
ASUSは、店頭で買えて、パソコンとしての性能や価格面でも納得できるメーカーとしてオススメできますので、気になる方はぜひ一度家電量販店でチェックしてみてください。
【おまけ】ハードディスクの簡単なバックアップ方法
壊れにくいパソコンメーカーを調べると同時に、しっかりやっておきたいのが日ごろのバックアップ。
パソコンはいつかは壊れるものですし、厄介なことに最も壊れやすい部品がハードディスクだからです。プライベートでも仕事でも、こまめにバックアップを取っていなければ泣きを見る羽目になります。
大事なのは分かるけど、バックアップって時間がかかるし本当に面倒くさい。手っ取り早くできる、良い方法ない?
そんな人におすすめできる、時短バックアップ方法を記事にまとめました。フリーソフトを使うので無料でできます。ぜひ、下記リンクからチェックしてください。
以上、壊れにくいパソコンを選ぶためのおすすめの見分け方をご紹介しました。
今やパソコンなくして仕事はできない時代です。仕事に使う大切なパソコンだからこそ、買う際にはしっかり吟味して、壊れずに長く使える1台を選びたいもの。本記事がそのお役に立てたら嬉しく思います。
最後に
当ブログでは、病院に勤務するシステムエンジニアの私が、関係法令の改正やパソコンのトラブルシューティングなどをSE目線から紹介しています。
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