病院のSEとして10年以上働いている@whitefox21seです。
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2020年4月の医療法改正により、X線装置などを持つ全ての医療機関において医療被ばく時の線量を管理・記録することが義務付けされました。
本記事では、医療機関として具体的に何をしなければいけないのか、院内SEにとってどんな関係があるか、について見ていきます。
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改正内容の概要
主な改正内容としては、下記のものがあります。
- 医療放射線安全管理責任者の配置
- 医療放射線の安全管理のための指針策定
- 医療被ばくの線量管理・線量記録の実施
「指針を作れと言われても何からどう手を付けてよいか分からない」という方は、下記の日本診療放射線技師会のホームページで雛形が公開されていますので参考にしましょう。
こうした指針策定が法令で義務付けされる場合、だいたいどこかの団体でテンプレートを作成してくれていることが多いですので、迷ったら検索してみることをオススメします。
公益社団法人 日本診療放射線技師会
https://www.jart.jp/activity/guideline.html#5
院内SEとして直接関係はなさそうですね。線量記録用の帳票を用意せよと言われるくらいでしょうか。
医療被ばく管理システムとは
ところでこの法改正について調べてみて初めて知ったのが、医療被ばく管理システムの存在です。
医療被ばく管理システムの導入と医療情報環境整備
https://radiology.bayer.jp/publication/radimetrics_casereport/vol1/
システムを入れることのメリットは、やはり線量の管理・記録の部分ですね。モダリティから受け取る線量を一元管理し、電子カルテから参照したり、診療録に記録したりといった連携が可能になれば、検査技師の負担も軽くなります。
院内SEとしてシステムを入れるときに一番注視するところは、電子カルテとの連携です。医療行為と診療録への記載は常にセットですので、電子カルテを母体として検査の指示から結果の閲覧までをトータルに電子カルテ内で完結できるかが、医療機関では必須なのです。現場の職員からもそう求められます。
連携ができずスタンドアロンとなると、患者IDや氏名をモダリティに手入力しなければならなかったり、検査結果を手作業で電子カルテに取り込んだりなど人手を介した保存作業が必要になります。人間が行うものですからヒューマンエラーも発生しますし、時間もかかります。
これまで医療のIT化は遅れていると散々言われてきましたが、最近はその風潮もようやく少しずつ変わってきたかなと思います。
医療業界はかねてから慢性的に人手不足ですが少子化により拍車が掛かり、さらには働き方改革の推進により、限られた働き手で業務を回さなければ法的な制約をクリアできず病院の存続が怪しくなるからです。
なお、2020年4月からは時間外労働の上限に規制がされていますよね。下記記事でご紹介しましたので、こちらもご覧ください。
昔のように脇目も振らず徹夜で仕事というわけにはいかず、残業時間を適正に管理していかないと従業員には簡単に辞められ、また労働基準監督署からも指導を受けかねません。
従業員にうかつに残業させられないことの穴埋めを中間管理職が行っているでしょうが、いつまでもそのままでは歪みが起き破綻するでしょう。
今は介護施設にも外国人スタッフが登用されていますから人手不足は深刻で、「人財」という言葉があるように人手そのものを財産と捉えるべきです。機械やシステムより人を動かす方がコストがかかる時代と考え、経営を考えていかなければ立ち行かなくなります。
院内SEとしてはこうした法改正にも目を配り、IT化の可能性を見い出し経営改善に寄与できないか検討することも仕事だと思います。
年度初めは改正法が施行開始となることが多いので、アンテナを張っておきたいですね。ちなみに改正民法もこの4月から施行されており、連帯保証人の極度額を予め定めることが義務付けされました。入院時に連帯保証人の契約を結んでいる病院がほとんどでしょうから、こちらも把握しておきたい内容です。
下記記事で紹介しましたので、併せてご覧ください。
最後に
当ブログでは、病院に勤務するシステムエンジニアの私が、関係法令の改正やパソコンのトラブルシューティングなどをSE目線から紹介しています。
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