診療報酬改定についての記事で「看護記録の音声入力は難しい」と書きましたが、AIについて調べていたらすでに実用化に達しつつある事例がありました。
ヘッドセットから「○○薬を1錠内服」といった音声を拾ってメモアプリにより文字に起こし、文字内容をAIによって自動でSOAPに振り分けてカルテに記載する、というもの。両手が空くので処置しながら記録を残すことができ、これは非常に便利ですね。
現場では手書きのメモに残し後でナースステーションで電子カルテに打ち込むか、ナースカートを持ち込み処置をしつつ記録に残す、といった方法が主流です。ただ記録作業は時間がかかるため後者のやり方ではメモ程度のものしか書くことができず、ほとんどが前者だと思います。時系列にSOAPを振り分けながら他者が読んでも分かるように書くというのは難しく、この作業を少しでも省略化したいと誰もが感じているはずです。
これまではIT化に後ろ向きだった病院でも、働き方改革の法制化に伴い業務時間の短縮を否が応でも進めなければなりません。また人材不足により少ない人手で業務を回さなければなりませんので、一人あたりの業務効率をいかに上げるかも喫緊の課題です。実際、今回2020年(令和2年)の診療報酬改定でも、看護業務負担を軽減するために夜間の看護体制加算の要件に「ICT、AI、IoT等の活用による業務負担軽減」が追加されました。
北海道の田舎にあるうちの病院すら真面目にAIの導入を検討しているくらいですから(笑)、世の中の関心が高まり実需が増えてくることを期待したいですね。
実証実験中だそうですが、ここまで来れば製品化も近いでしょう。確かに、看護記録の自動化をやるなら文字起こしからSOAPに分類するまで一連でやりきらないと効果がないですよね。どんな完成品に仕上がるのか楽しみです。
上記の記事では動画でその様子も確認できるので、興味のある方は一読の価値ありですよ。
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