病院の情シスで働く医療情報技師の奮闘記

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医療情報技師から見た令和2年度(2020年度)診療報酬改定(2)

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中医協で総会資料がアップされていました。

 

www.mhlw.go.jp

 

パブリックコメントに意見が気になる意見が上がっていたので、ピックアップしてみます。

 

Ⅱ-11 医療におけるICTの利活用
現状の電子カルテシステムではベンダーに対し相当額の開発費を支払う必要があり、ICT の活用を躊躇せざるを得ない。

 

パブリックコメント公聴会の報告について 総-2-1(PDF:581KB) より

これは切実な意見ですね。よく分かります。医療機関ではCTなど検査機器の費用も莫大なので、電子カルテ絡みの出費がかさむと「それより機器を充実させてほしい」という意見も当然出ます。オンライン診療のように、ICTの利用が直接診療報酬に反映される仕組みがあれば導入が進むのではと思いますが、そう簡単には行きませんね。

 

○ 企業経営者の立場からすると、病気があっても治療しながら働き続けられるよう、医療機関にかかる時間的な制約がある中で、オンライン診療が有効な手段。安全性・実効性を確保しつつ、オンライン診療の普及に向けた議論を前に進めていただきたい。

 

パブリックコメント公聴会の報告について 総-2-2(PDF:426KB) より

新型コロナウイルステレワーク(この言葉が若干古さを感じるのは私だけでないはず)が注目されています。ここはインターネットの強みが出るところですね。今までは業務効率化の手段として見られてきましたが、こうした非常事態にあっても仕事が回る仕組み作りは今後ますます重要になってくると思います。
働き方改革の面もありますが、オンライン診療の基盤が整えば医師も在宅勤務しやすくなるでしょうし、感染リスクを最小限に抑えながら診療ができます。

 

テレワークを導入するには、何といっても上層部が理解を示すところから始めなければなりません。実話を元にしたテレビドラマ「病院の治しかた」でも、人事考課制度の改革を進めるのに事務方から着手しようとしたところ、医師から始めるよう院長が指示しました。可能な範囲でやる、というのでは「自分たちには関係ないことだ」と他人事に考えられてしまい、いっこうに議論が進みません。組織は「上の人達がやるなら従おう」となるものです。
インターネットやPCに親しみのない人からすると心理的抵抗があるのは必然で、テレワークを手抜きだとか不真面目だと捉える人も少なくないはず。一理あるのかもしれませんが、従来のやり方にこだわらず、未曾有の事態に対応できるよう適応していくことも病院として重要なことと思います。

 

感染で動乱している間だけ議論されていても駄目で、事態が収束した後に「そんなこともあったよね」などと喉元の熱さを忘れては同じことの繰り返し。こうした事態に直面したときに後で振り返ることができるよう、問題点を洗い出しておくことが大切ですね。

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前回の診療報酬改定に関する記事はこちら。

whitefox21.hatenablog.com

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